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きみの手を引いて:番外編3

   

 R-18BL小説です。18歳未満の方、BLに嫌悪感を持たれる方はご遠慮下さい                                                    

   

 第3話

 

        
「ひとりエッチ、見せてもらおうかな?」
「はあ!? なんだそれなに言ってんだあんた!?」

 オレは大声を上げていた。
 冗談だろ、なんでこいつにそんなの披露しなきゃなんないんだよ! 大体、一人でこっそりやるからひとりえっちなんであって、堂々と人前で公開するもんじゃねーだろ!?

「オナニー。自慰。マスターベーション。マス掻き」
「知ってるよ! 知らなくて訊いてんじゃねーよっ、てかマスターベーションとマス掻き被ってるし! そんなことするかっ!」

 男が次々と口にするワイセツな言葉に頬が赤らむのが判る。オレも勢いで言ってしまった。
 器用に片眉だけ跳ね上げた男は、オレの股間を指差した。
「それ。ひとりエッチじゃねーの?」

 オレの手はタオルの下で自分のものを握っていた。硬くなっているそれに這わせた指は、先端から溢れた体液にまみれ、ぬるつきだす。
 オレは今度こそ、耳まで真っ赤になった。

「見せろよ」
 男の手がタオルを掴んで引き剥がそうとする。オレは慌ててタオルから手を抜いて上から押さえた。
 涙目で男を睨んで呪文を唱える。

「に……にいちが、に、ににんが、し……にさん、が、ろく、にしが、はち……」

 落ち着け、バカ息子。見ず知らずの男にひとりえっち公開するハメになってもいいのか? オレ一人だけサカって、サルみたいにしこしこしてるとこお披露目してもいいのか? いやよくない。ぜんぜんよくない。

「さんご、じゅうご、さぶろく、じゅうはち、……さんしち、にじゅういち、」
 
 男の肩が震えている。声を殺して笑っているのだ。ちきしょう、笑いたきゃ笑え。
 呪文の効果か、硬かったそれが徐々に柔らかくなっていく。

 よし、このまま大人しくなってくれれば、名前も知らない男の目の前でソソウするような事態は避けられる。
「─── で。今、我慢してどこで抜くんだ?」

 男の言葉に呪文の詠唱が止む。……どこで? どこでって……。

「公園の便所? 駅のトイレ? ネットカフェ? 個室ビデオ?……入る度胸あんのか? お前みたいなガキが一人で入ったらさぞかし目立つだろうな。ドアにカギついてねーネットカフェか? いつダレがドア開けるか判んねーぞ。びくびくしながら抜くか? トイレはカギついてっけどはあはあ言う声が筒抜けだな。エロい声でひとりエッチの実況生中継か?」

 饒舌。いやになるほど、饒舌。

「……オレがどこで抜こうとあんたにカンケーないだろ。大体、自分の家って選択肢」
「家出してんのに?」

 何で知ってんだ?
 オレは男に家を出てきたことを話した覚えはない。
 不安な思いが不審そうな表情に現れたのか、男はベッドに腰掛けた姿勢で足を組み、肩を竦めた。

「家出してんだろ。腹空かせたガキが汚ねーカッコで人ん家の前に座り込んで、ホームレス寸前。声かけてみれば奢れ、ときた。家出して金無くなったとしか思えない」

 ……ええ、おっしゃるとおり。ご明察。名探偵もビックリ。

「それとも抜きに帰んの。家に」
 そんなわきゃない。そんなみっともないことできるわけない。
 オレは口をへの字に曲げて、タオルの隙間からまだ半勃ちのそれを見た。

「あッ!?」
 ふいに、そのタオルが消えた。素早く伸びてきた男の手が最後の砦を引っぺがしたのだ。
 
「かっ返せよ!」
「へえ、まだ勃ってんだ。その呪文効果あんの?」
「うっさいなっ、あるよ!……多分。見てろよ、しいちが、し、しにが、はち……」
「見てていいのか?」
「向こう向けーー!!」

 くっそー、見てろってのは言葉の綾だろ、揚げ足取んな!
 唇を噛み、横向きで股間を押さえて真っ赤になっているオレに男はくくくっと喉の奥で笑ってみせる。

 それから男はいきなりオレの股間に手を差し入れた。
「や……っ」
 自分の手を外され、代わりに男の手が、指が、絡みつく。遮るものがない刺激を与えられ、それは見る間に元の大きさを取り戻した。

「呪文の続きをどうぞ?」
「んっ……や、はなせ……っ……あっ、んんっ」
「そんなイロっぽい呪文だったっけ」

 男は背中から覆い被さるように覗き込んでくる。オレは涙を滲ませた目で男を精一杯睨みつけた。

「……なんで、う、こんなこと、す、んっ……すんの?……」
 喘ぎ声が混じって情けない。でも文句を言わずにはいられなかった。
「オレ、なんかっ……んっ……ふ、かまっても、おもしろくな……っ」

「俺の奢りでピザ食ったろ。風呂も入れてやった」
 男の答えは単純明快。ギブ&テイクってやつだ。
「しばらく泊めてやってもいい。愉しませろよ」

「そんな、約束、し……っした、覚え、ない……!」
「じゃ、今、契約交渉だ。俺は衣食住を保証する。お前は身体を提供する。それでどうだ?」

 どうだ、じゃない。交渉中なのに男は勝手にオレの身体を愉しんでる。片方の手はオレの髪の毛をまさぐり、地肌に指を這わせ、もう片方の手はオレの分身を弄び、その下の袋まで揉みしだく。

「はっ……はあ、ん、ふ……っは……」
 息が苦しい。心臓がどきどきする。出したい。
「─── それとも」

 男はオレの先端に親指でセンをする。わざとソコをぐりぐりと押した。悪魔だ。
「あっあっあっやあ、やだ、出る……っ」
 涙声と喘ぎ声が混じる。少しの刺激で暴発しそうだ。

「公衆便所かネットカフェで済ませる?」
 男は手を止め、蹂躙しつくしたそれをつん、と指で突付いた。隠す余裕もなく、硬く張り詰めたそれは少し頭を揺らし、その先から新しい滴を垂らす。

「わかっ………た」
 限界だった。どっちにしろ、このままでは男に懇願するか、自分で慰めるのを男に観賞されるかの二者択一しかない。
 ネットカフェは余りにも遠すぎる。

「……契約、……する……」
 
 オレは悪魔と契約を交わした。
 

 

        

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