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2009年6月

 

 今週もこつこつこつこつ書いてました……。でもなんだかはかどらない……。

 全体の三分の一くらいは書けたような気がするんですが、例によって書きたいところから書いているので、最後らへんの三話ぐらいと、最初の四話ぐらいがなんとか出来たような出来ないような……。

 時代がかったカタい文章を書くのが好きなので、それでやってます。読み手の方には迷惑な独り善がりだ……。

 

 あと、今週は授業参観がありました。45分を三等分してそれぞれ観ました。来なくていいと言っていた一番上のお兄ちゃんの教室、こっそり覘いていたら見つかってしまいました。

 怒る?と思ったら、「来やんでええって言うたやん~」とはにかんでました。難しいな、思春期。可愛いぞ。( ̄ー ̄)ニヤリ

 

 しかし、もうちょっと頑張ろう、書くの……。連載してないせいか、焦って更新しなくてもいい、って気が緩んでます。ラクだけど、ラクすぎる……。┐(´-`)┌

  

 

 最近更新してなくてすいません……m(_ _)m( ´・ω・`)

 今週はママ友とバザーに行ったり、ランチ食べに行ったりとちょっと忙しくて面白い一週間でしたが、そんな八月の日常をブログに書く時間があるなら小説書き進めた方がいいだろうと思ってこつこつと制作に没頭しました。

 一番上の子の誕生日が近いので、今日はおうちでみんなでケーキを食べます。

 もう11歳か……。えッマジで!?

 すると今度は次男が10歳になるのか……。(他人事か?)

 11歳と10歳の兄弟(しかも10歳の方がちょっとだけ背が高い)、わあ、ハ○レンでお母さん練成しようとした時みたい……。

 11年前、子供を産み始めた(?)時にはこんなことになろうとは……_| ̄|○いやほんとに……。

 ロイ×エドは読めるけど、アル×エドは読めないな、マジで……ハハオヤなんてつまんないもんだ……。←心の声を小さくしてみました。

 全く脈絡はありませんが、すこーしずつ次回作を制作していますので、気長にお待ちください。m(_ _)m

「きみの」続編UPしました。

 

 きみの手を引いての続編、「ありふれた、そして特別な。」をUPしました。\(^o^)/

 一万ヒット記念にしようかな、と思って考えてた話だったのですが、予想以上のハイペースでアクセス数が増えて(ありがとうございます)一万三千ヒット記念になってしまいました。(;´д`)トホホ…ナニこの中途半端さ……。┐(´-`)┌

 トンデモナイ遅筆で自分でもビックリです。

 内容は後日談。キヨラカなラブラブ()です。

  

  

ありふれた、そして特別な。

 

  
 互いのゼミが引けたある日の午後、柚月とあやは駅前通りから道をひとつ入ったところにあるパティスリーにいた。
 家から近いものの、いつも女性たちで賑わっているその店は柚月には縁遠かった。
 
 初めて入る白く清潔な店内でおしゃべりに興じる女性たちに囲まれ、なんとなく身の置き所がない。もっとも、女性たちは柚月が思うほど、その存在を気にしてはいなかった。
 入ってすぐのショーケースからあやだけがスイーツを選び、二人ともアイスティーをオーダーする。

 注文の品が運ばれた後、柚月はあやに洗い浚い白状させられた。
「─── ふーん。あっそう。そりゃあよろしゅうございましたわね」
「……おい、なんだよ、その言い方、……お前が話せって言うから」

「無理やり手を引いて? 家に連れ帰って? 誕生日のプレゼントにハル自身をもらった? バカバカしくて聞いてらんないわ、どこまでノロけたら気が済むのよっ?」
「大きい声出すなっ……別にノロけてない」

「コレがノロケでなかったら一体何がノロケなの」
 周りの耳を気にしてきょろきょろする柚月に、あやは平然とショコラムースの最後の一片を食べ終えながら言った。
「誰も聞いてないわよ、……ま、とにかくおめでとう。恋愛成就ね」

「……まあ、な」
 自分では気が付いていないらしい柚月のにやけた顔に、あやは思わず、けッと口の中で呟く。
「デレデレしてると振られるわよ」
「う……デレデレ、してない」
 
 柚月は自分の顔を撫でて、アイスティーを飲む。ふと気付いたあやは柚月に訊ねた。
「ねえ、ハルの誕生日っていつなの? プレゼントとか考えてんの?」
 柚月の誕生日にはハル自身という、柚月にとってこれ以上ないものをもらったのだ。当然、柚月もそれ相応のものをハルにプレゼントしなければならないだろう。

 そう思って訊ねたあやは柚月の虚を突かれたような表情に驚く。
「……まさか知らない、なんて言わないわよね」
「……知らない」
「ええっ!? 嘘っ!?」

 さすがに人目を引く声だった。通路を挟んだ隣の席からの視線に慌て、柚月とあやは顔を突き合わせて小声になる。
「嘘でしょうっ、なんで恋人の誕生日知らないのよ!」
「仕方ないだろうっ、知りたいと思ったときに訊けなかったんだ、……それきり訊く機会もなくて」
「訊く機会もなくて、じゃないっ、機会は無理やり作るのよ、ベッドの中とかで!」

「ベッ……」
 絶句した柚月はあやの顔をまじまじと見た。はしたない言葉をたしなめようかと思ったが、倍以上の勢いでハルの誕生日を知らないことを詰られるのは明白だったので黙っていた。

「もう、信じられない、恋人の誕生日知らないなんてありえないわよ!? いい? 帰ったらソッコー……」
 まくし立てるあやの早口が止まる。見開かれた目は窓ガラスの外に向けられていた。

「?」
 つられて目を向けた柚月は、そこに、ハルの姿を見た。
 
 ジーンズに買ったばかりのチェックのパーカーが良く似合っている。出会った頃より少し背が伸びて顔付きも変わったせいか、もう少女と見間違えられることはなく、どこから見ても少年 ─── それもひどく目を引く、綺麗な顔の少年として映る。

 その少年が立ち止まり、狭い道路を隔ててこちらを見ていた。
 どうしよう、とハルが困惑しているのが柚月には手に取るように判った。実際自分がそうだったからだ。

 次の瞬間、ハルは目を逸らして足早に歩き出した。柚月のアパートの方向へ向かう。
 いきなり、前触れもなく席を立ったあやは駆け出した。
「あ、……おい!」

 制止しようとする柚月の声も耳に届かないのか、あやはそのまま店を出て行ってしまう。
 柚月は慌てて支払いを済ませると、ハルに近づいていくあやを追いかけた。

  

 

  

 ─── ハルはその日、バイトが早く終わっていた。仕事先のコーヒーショップ・ヴィンテージのマスターがどうしても外せない用事がある、ということで以前から三時には店を閉める予定になっていた。
 
 柚月にそのことを話さなかったのは、取り立てて言うほどのことでもないと思ったのと、早めに帰って部屋の片付けでもして彼を驚かそうか、といういたずら心が働いたからでもあった。
 まさか柚月が女の子受けしそうな小奇麗な洋菓子店で、あやと会っていようなどとは夢にも思っていなかったハルは、その光景を前にして立ち尽くした。

 どうしたらいいか判らないけど、目が離せない。柚月とあやは顔を近づけて話している。とても仲のいい、お似合いの恋人同士のように ───。
 あやがこちらを見た。ぼんやりと立っていた自分に気付いたのだ。

 つられたように窓の外に目を向ける柚月と視線が合い、ハルは思わず顔を背ける。思考を止めて、柚月と暮らすアパートへ帰ろうと足を速めた。
 ほかにどうしようもなかった。

 ─── あやは、柚月と自分の事を知っているのだろうか。
 少なくとも柚月はあやのことを自分の前で話題にしたことはなかった。彼女はまだ柚月のことが好きで「早くあの子を追い出して」と迫っているのかもしれない。
 
(考えすぎだ、……あとで柚月さんに訊けばいい)
 柚月とあやは、ただ会っていただけだ。
 こんなことぐらいで不安に思うなんて馬鹿げている。判っていながら、ハルの心に立ったさざ波は大きくなっていく。
 もしかしたら、柚月さんはオレのこと本気じゃなくて、あやさんと ───。

「……待って!」
 背後から掛けられた声にハルは、はッと気付いて立ち止まる。振り返ったハルの視線の先にはあやがいた。ヒールのあるパンプスを履いているあやを、ハルはわずかに見下ろす格好になる。
 ハルはあやよりも身長が高くなっていた。
 
「……足、痛くなっちゃった。走ったから、……」
「あやさん……」
「背、伸びたのね」

 ハルはこく、と頷いた。
「少し、だけ、……」
 小さな声で言って俯くハルの沈んだ表情に、あやはなんといっていいか判らず、口を噤んだ。

 元より、あやはハルと会おうなどと思ってもいなかった。そうするには自分のしたことは、余りにも酷く、ハルにとって会いたい相手ではないはずだった。
 判っていても追いかけてきたのは。

 ハルに柚月と自分が一緒にいるところを見られてしまったからだ。浮気、と勘違いされてもらっては困る。
 言い訳がましくならないように、と考えながらあやが口を開こうとした時、ハルが頭を下げた。

「……ごめんなさい。……あやさんが、オレのこと、……気に入らないって知ってます。……でも、あの、……オレ、柚月さんと一緒にいたくて……それに」
 たどたどしく謝罪の言葉を口にするハルにあやは面食らった。ハルは、自分に対してあやが未だに怒っていると思っているようだった。

 それに気付いたあやは脱力する。─── 本当に柚月のことは諦めていた。無論、ずっと好きだった彼をすっぱり忘れたり、嫌ったりは出来ないものの、満願叶ったこの恋を祝福してやってもいいと思っていた。それなのに、ハルの方は自分とまともに話すことも出来ないでいる。

 あの女はこっぴどく振って諦めさせた、何も心配ない、と柚月がハルに言ってやるべきなのに、あの朴念仁はそんな配慮もなしにこの子を不安にさせているのだろうか、と憤りさえ湧いてくる。
  
 その朴念仁が後ろから近づいてくるのに気付いて、あやはため息を吐いた。
「それに? もう柚月さんとデキてます、って?」
 直截的な言葉に驚くハル。柚月もぴたりと足を止めた。

「……あや、お前な」
「ほんとのことじゃないの。なによう、ふたりしてカオ真っ赤にしちゃって。恋人同士なんでしょう、」
 こいびと、と小さく呟くハルに、あやは顎で柚月を示した。

「そうよ。……このひとね、あたしにさんざんノロケてくれたわよ。とてもこんな往来じゃ言えないようなことまで」
「おいっそんなこと話してないだろう!?」

「あ、じゃあやっぱり言えないような恥ずかしいことしてるんだー」
 話してないだけで、シテルってことだもんねー、とあやはからかう。
 思わず言葉に詰まった柚月は、図らずもあやの言葉を肯定してしまうことになる。

「ゆ、柚月さん……」
「ごめん……でも、ほんとに話してないぞ」
 柚月に近づき、もういいから黙って、と小さく耳打ちするハルの姿にあやは軽く肩を竦める。

「仲がよろしいこと。……要ちゃん、悪いけどちょっとハルを貸してくれない」
「え?」
「話があるのよ」

 あやの目の前で二人は顔を見合わせ、ハルだけが前へ出た。
「……えっと」
「そこの公園に付き合って。……足が痛いから座りたいの」
 
 言ってハルの腕にすがりつくあやに、柚月はあからさまにむっとした顔を見せる。
「なにその顔。要ちゃんは帰ってて。ハルもすぐ帰すから」
「……大丈夫ですか、あやさん」
「少し休めば平気」

 寄り添って公園に入っていくあやとハルの後ろ姿を、柚月は黙って見送るしかなかった。
 
 

  

  

  
 
 
 玄関のドアが開く音に柚月は夕食を拵える手を止めた。パーテーションを避けて現れるハルの姿をじっと見る。
「ただいま、……今日、夕飯なに?」
 柚月もハルも普段なら、ただいま、などと気恥ずかしくて言わない。わざわざ口に出すのは、心に何かがある時に限られていた。

「鯛のアラ汁。筑前煮」
「和食だー。最近ますます料理のウデ上がったよね、柚月さん。いつでもおヨメにいけるってカンジ」
「お前はあやでも嫁にもらうつもりか?」
 
「……柚月さん」
 脱いだパーカーをロフトに押し込みながら、何言ってんだよ、と口の中でぼそぼそと言うハルの表情は照れているようにも見える。柚月は眉間のしわを深めた。
「別におかしいことじゃないだろう。お前がハタチになれば向こうは二十五。五歳年上のあねさん女房だ。お似合いだな。式はいつだ?」

「やめてよ、もー。……判った、ヤキモチ焼いてんだ?」
 冗談めかしたハルの言葉にも柚月は不機嫌そうな表情を崩さない。
「そうだ。悪いか?」

 あっさり肯定されるとは思わなかったハルはうっすらと頬を染める。
「……そういう時は、さ、「妬いてなんかない」って」
「お前があやとベタベタするからだ」

 柚月はハルの腕を引いて簡単に抱きすくめた。多少背が伸びたとはいえ、まだまだ柚月のほうが柄も大きく、力も強かった。
「……あやと何話した?」
「……」
「言いたくないことか?」

 柚月の顎にハルの額が触れそうな至近距離で囁く。柚月も心の底から二人の仲を勘繰ったわけではない。あやにそんなつもりがなくとも、ハルが傷つけられはしないか、心配だった。
「……」
 ハルは柚月を上目で見て、すぐに伏せてしまう。不安に駆られた柚月はそっとハルの頬を片手で撫でた。
 
「ハル」
「……ごめんなさいって」
「え?」
「あやさん、……ずっと謝りたかったって」

『ごめんなさい。……あの時、要ちゃんがあなたのこと好きだって知ってた。知ってて、追い出したの……。あなたの方はあのひとの気持ち、知らなかったみたいだけど、……本当にごめんなさい。きっとあたしには会いたくないと思って、……でも、ずっと謝りたかった』

「あやが、……そうか」
 こくん、と頷いたハルは柚月の肩口に額を押し付けた。
「……いいひとだね、あやさんて。美人だし、可愛いし……。柚月さんのこと、まだスキなんじゃないの」

「そんなことはないと思うが。いつも言いたい放題だぞ」
 うろたえもせずにはっきりと否定した柚月に、ハルは内心ほっとしながら、あやの言葉を反芻した。

『今日、要ちゃんと会ってたのはね、あなたの話を聞く為だったの。あなたと要ちゃんが、……幸せ、なのか知りたかったの。……ずいぶん惚気られたから、もういいってくらいよく判ったけど。要ちゃんが浮気、とかそういうわけじゃないのよ。……そう? なんか不安そうな目付き、してたから』

「……オレ、柚月さんとあやさんがデートしてんのかと思った」
「デート?」
 ハルの言葉に驚いた柚月はその身体を少し離して、俯き加減の小さな顔を覗き込む。伏せた目の縁がほんのり赤くなっているのを見つけた。

「……ほんとはずっとあやさんと付き合ってて、オレのこと、……本気じゃないのかな、って。でも仕方ないかって、思った」
「なんだ、仕方ないって。……妬いてくれないのか?」
「そりゃ、い……イヤだけどさ、柚月さんが、他のひとに、その……触ったりしたら、イヤだけど……」
 
 でも、オレ、……と口ごもるハルを柚月はきつく抱きしめた。
 付き合い始めてから、柚月の想像以上に、ハルが体を売り物にしていたことを引け目に感じている、ということに気付くのに時間はかからなかった。

 いつも強気でずけずけとものを言うハルが、ベッドの中でだけはやたら大人しい。ひどく緊張しているのが見て取れる仕草に柚月も気が差して、嫌ならしない、と離れようとすると慌ててしがみ付いてきた。

(「ちが……ちがう……イヤじゃない……でも、柚月さんに、……ヤラしいって、嫌われたらヤダから……他の……他のヤツにさんざんされたからだって、思われたら嫌だから……」)

 そう言って快楽を堪えようとするハルが我慢しきれず、あえかに乱れるさまは返って柚月の気持ちを掻き立て、結果として彼を泣かせるほどの官能に溺れさせた。
 
「─── 二度とあやと二人きりで会うなってお前が言うなら、俺はそうする」
 ベッドの中のハルに及びそうになった思考を振り切り、柚月は目の前の彼に囁いた。
「命令しろ。二度と他の奴と二人きりで会うなって。……オレだけだって」

「……そんなの」
 以前に自分がしていたことを思えば、とてもそんなことを柚月に誓わせることなど出来ない。ハルの引け目を心底理解しながら、柚月は言葉を重ねる。
「俺が他の奴に触ったら嫌なんだろう?……柚月さんに触っていいのはオレだけだって、言え」
 
 ハルの顔が徐々に赤くなっていく。真っ赤になった耳たぶを眼下に見て、柚月は愛しげに目を細めた。
「……他のひとに、触ったり、しないで……」
「ああ」

「もし、他のひとに触ったら、怒るよ……? いいの……?」
「ああ。いいよ」
「オレだけだって、言って……?」

「お前だけだ」
 ミハル、と柚月は笑みを浮かべながらハルの目縁に唇を落とす。 
 柚月の腕の中で、ハルはその広い胸に顔を埋めた。 

  
 
 
 
 
 
 
「……あ」
 夕食後。食器をシンクに下げながら、ハルはあやの言葉をもうひとつ思い出した。
 
『要ちゃんねえ、あなたの誕生日知らないって言うのよ。ありえなくない? 恋人の誕生日、知らないって。訊きなさいって言っといたんだけど、あのひとのことだからタイミングがつかめないかもしれない。……それとなーく、教えてやってくれない? 要ちゃんみたいな朴念仁と付き合うのも大変ね。で、いつなの、誕生日』

 あやは柚月より先にハルの誕生日を知ることになった。
『あのひと、あたしにめちゃくちゃ嫉妬するかもね。ないしょよ?』
 いたずらっぽく言って別れたあやが、駅に向かって歩いていくのを見送った。

「どうした?」
 シンクの前で笑みを浮かべるハルを見止めて、柚月は不思議そうに訊ねる。
 ─── あやに発破をかけられた柚月は、いつ、どうやって、自分に誕生日を訊くつもりなのだろう。

(あやさんが言ってたみたいにいつまでたっても訊かないかも。……それでもいいかな)
(「お前だけだ。……ミハル」)
 その言葉がもらえれば、他に何もいらない。
 
 誕生日でもない普通の日々は、柚月と心が繋がったあの日以来、ハルには全てが輝いて見えていた。
「ん、……なんでもない」
 そして今日も昨日と同じようにありふれた日常は、柚月がそばにいるというだけで特別に変わる。

 ─── 明日もあさっても、ずっとこんな日が続くといい。
 柚月の隣で微笑んだハルは、そう願った。
 
 
  
                           end.

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       目次それさえも甘やかな日々

  

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 番外編をムーンライトノベルズに投稿しました。

 一度やってみたかった全話一気投稿ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 遅筆なのでいつになるかと思われましたが、ついに出来ました。\(^o^)/

 「きみの」の次話(一話読み切りで……多分)と更にその続き、全く違う話(でもBL)などをあっちこっち書きたいところから手をつけているのですが、そんななのでいつ読んで下さる方の目に触れるか判りません……。すいません……。m(_ _)m

 頑張ります……。il||li _| ̄|○ il||li

  

  

「きみの」番外編 最終話更新しました。

 

 きみの手を引いて番外編、最終話更新しました。o(*^▽^*)o

 大体こんなようなイメージというか流れで、柚月とハルが出会う前を考えてました。

 ハルの一人称にしたので臣のほうが掘り下げられなかったのですが、ハルが臣をどう思ってたかを書くのは面白かったです。へんに絆されそうになってるハルが( ̄ー ̄)ニヤリ

 臣がハルをどのように思っていたかは、……まあ、判らない、ということで。でも、ちょっとヘヴンで書いたような気がします。

 私的な事情でしばらく続きが書けなかったので、今回の更新は危ぶまれたのですが、最終話だし、頑張ろう、と気力を振り絞りました。誤字脱字がありましたらお知らせ下さると助かります。

 これからも頑張りますので宜しくお願いします。m(_ _)m

  

きみの手を引いて:番外編 最終話

 

 R-18BL小説です。18歳未満の方、BLに嫌悪感を持たれる方はご遠慮下さい

 

 最終話

 

  
 ぽん、と何気なく枕元に投げ出された金をオレは横目に見た。
「……なにコレ」

 朝の十時。いつまでも起きられず、ベッドの中でぐだぐだしていたオレがやっと伸びをしながら髪をかき上げた時だった。
 上半身を起こして、手の中にその金を浚う。一万円札だ。十枚もある。

「不満か?」
 Yシャツ姿で結んでないネクタイを肩に引っかけた臣がベッドの脇で見下ろしている。
 びっくりしたオレは口をぽかんと開けて臣を見上げた。

「あ……あんたバカじゃねーの? 一回ヤったぐらいで十万?……一万でいーよォ、ちょっと遊ぶ金が欲しかっただけなんだからさ」
 タオルケットに隠れた膝の上で札束をぱさぱさっと振る。こんな大金、持ったこともない。
 一枚抜き出して残りを臣に突き出す。

「……」
「なんだよ?」
 臣は受け取ろうとせずに腕を組んだ。何を考えているのか読み取れない眼差しをオレに向ける。
 
 唐突に口を開いた。
「お前は俺にセックスを売った」
「はあ?……そんな大げさなもんじゃ」
 
 大仰な臣の言葉にオレは閉口した。だってえっちしただけだ。売った、とかそんなつもりない。
「売っただろう。金が欲しくて騎上位した。衣食住を保証する契約以外に、身体を使って金を要求した。これは売春だ」

「……バイシュン」
 援交ってことか。

 言葉の重みに気付いてオレはぎょっとした。ただ、遊ぶ金が欲しかったから、ベッドに引きずり込まれたついでに言ってみただけなのに。
「契約だけならな、一緒に暮らしててそういう関係になりました、って言い逃れも出来る。昨日の夜は違う。お前は金の為に俺に身体を売った。れっきとした売春だ」
 
「……」
 重ねて言う臣にオレは膝を抱えて俯く。ひょっとして、責められてる?
 でも ───。
 
 オレは、そのことがそんなに悪いことだとは思わなかった。だって金が欲しかったんだ。
 セックスするついでに金もらって何が悪いんだろう。
 そうかこれがエンコーか、男でもエンコー出来るんだ、と思ったってのが正直なところ。

 ワルイことなのかな、と臣を上目遣いで見る。
 臣は、さっきから微動だにせずおんなじ姿勢のまま、オレに視線を落としていた。
「どうせ売るんなら出来るだけ高く売れ。自分の値段をつり上げろ。もったいぶれ。……ヘヴンに行くんだろう」

「え、……なんで知って」
「昨日、ずいぶんナオのこと気にしてたからな」
 言って、臣は煙草をスラックスのポケットから取り出す。一本咥えて火を点けた。

 遮光カーテンが閉まったままの薄暗い部屋で煙草の先がぽっと赤く光る。白く煙が漂った。
「……オレにも一本ちょうだい」
「……」

 何も言わず、臣は箱ごと煙草をくれた。吸ったことのなかったオレは見よう見まねで一本取り出し、口に咥える。臣がすかさず金属製の高価そうなライターで火を点けてくれた。
「……マズイ」

 吸い込み、眉をひそめたオレに臣はにやっと笑った。
「……俺の言ったこと忘れんなよ。安売りするな。忠告だ」
 柄にもねーな、と呟いて、臣は背を向ける。部屋を出て行く臣を煙草の煙が追うのをオレは黙って見ていた。

「……」
 手元の金がはらっと落ちる。なんか、アタマがくらくらしてきた。ニコチンとかが頭に回ってんのかな、酔っぱらった時みたいな酩酊感。

 ……臣はオレに十万の値を付けた。
 多分、それはセックス一回の金額としては安くない。もしかしたら、破格に高価い方なのかもしれない。

 臣が、何を考えてるのか判らなかった。売春の意識が乏しいオレが、九万返そうとしたのに受け取らなかった。「高く売れ、値段をつり上げろ」とオレを諭した。

 ただオレに金を受け取らせたかっただけ、ということは充分考えられる。─── 臣はアレで結構、……そんなに、悪い奴じゃない。ひねくれてて露骨に優しくしたりとかはしないけど、えっちもしつこくてエロくてサイテーだけど、でも、……ひどいことはしない。

 けど、それだけじゃない、何かが臣の口調にはあったような気がする。
 忠告だ、と臣は言った。
 
 ナイトテーブルに手を伸ばしてその上の灰皿に煙草を押し付ける。なかなか消えない火種を丹念に潰した。
   
  
 
  
  
  
  
  
 夕方になって、暇を持て余してたオレは臣のマンションを出た。臣は昼前に出てったきり戻ってこなかったけど、別にオレがいなくたってかまやしないだろう。
 真っすぐヘヴンに行こうかと思ったけど、マックで腹ごしらえする。こっちの方が絶対安上がりだ。カラダで稼いだ金、大事にしなきゃ、と思って、その考えがちょっと笑えた。

 ヘヴンに入ってすぐ、きょろきょろしてたオレをナオの方が見つけた。
「ハルー」
 手を挙げて人懐こい仕草をしている。その隣には、知らないヤツがいた。
「この子ね、アキオ。友達」
 
 簡単にナオはオレにアキオを紹介した。アキオはオレをぽかんと口を開けて見て、軽くお辞儀をする。……なんか新鮮な反応だなあ。昨日の奴らとは大違い。
「アキオはハルのこと知ってるよね」
「知ってる。……昨日、目立ってた」

 ナオと話しながら、アキオはオレをちらちら見た。ひょろっとしててオレよりちょっと背が高いアキオは、なんとなく大人しそうなヤツだった。
 おどおどと小さい声で話す。
「……トイレのとこでシュウたちに絡まれてるかも、って思ったんだけど、助けられなくて」

「ああ、べつにヘーキ。どうせひとりじゃ何も出来ない奴らが集まってんだろ、……なんだ、気にしてんの」
「アキオもさー、時々カラまれるんだよ。もっとしっかりしないと」
「う……ん。気を付ける、……」
 なんとも頼りない返事にオレとナオは顔を見合わせた。

   

 オレたちは、─── オレとナオとアキオはわりと気が合った。大人しくてシュウとその周りの奴らとは関わりたくないアキオ、揉め事がキライで無邪気だけど決して無防備でなく他の少年とも上手くやってけるナオ、シュウたちに目の敵にされながらも全く気にしないオレ。─── まあ何度か揉めたりしてる内に、シュウもオレも互いをシカトするようになった。

 そんな中、ヘヴンに集まる少年たちがなにをするのか次第に判ってきた。ただ遊びに来て溜まっているのとはワケが違ったのだ。
 最初に声をかけて来たオッサンはカラオケだけだった。ちょっと手を触らせてやったら一万くれた。
 
「また会ってくれるだろ……?」
 ヘンに声を掠れさせるオッサンに、気が向いたら、と引き気味に応えた。だって手ェ撫でさせただけで一万だぞ。ありえねーだろ、と怖くなってナオとアキオに相談した。

「すごいじゃん、ハル、やっぱ美人は違うねー」
「イイなあ、俺なら毎日でも会うよ」
「……なにそれ。なんかもっと他にねーの、言うこと」
「うーん、カモは逃すな、とか?」
「あのひとだよね、小金持ちでメンクイで、好みがうるさいオジサン」
「あー、ハルはおメガネに適ったんだ」
「もったいぶった方がいいよー、ハルならいくらでもつり上げられそう」

 そこで臣の忠告を思い出した。
 ─── ああ、そういうこと。
 
 ナオやアキオや他の少年たちが時々、男と消えるのには気付いていた。ようするにオレもそういう目で見られてるってワケだ。いきなりホテルに連れ込まれなかっただけマシ、ってやつ?

 オレがひょこひょこカラオケにくっついていったというのが噂にでもなったのか、それからは声をかけられまくった。一緒にメシ食ったり、ちょっと触らせるだけで面白いように金になった。

 そうやって小金を稼ぎながら、四日か五日にいっぺんぐらい臣の相手を、した。契約だから仕方ない、と思ってたけど臣はヤれば必ず金をくれた。

 臣が、呼び捨てにされたこともない、血筋も家柄も宜しい代々のお金持ちで、十万二十万なんて何でもない、ということはその頃知った。そのくせ、金の価値もちゃんと判ってて、オレがその……口でするのを嫌がると「三万だ」と冷たく言い放った。
 
 その後で「それともつり上げる手管か? なら、二十万出してやる」と鼻で笑う。……オレは臣の言いなりになった。
 確かに臣はオレの一番の上客だった。だからって媚売る気はさらさらねーけど。

 一ヶ月ぐらいしてアキオが、やめる、と言い出した。なんでもずっと付き合ってた客と一緒に暮らすことになったらしい。
 今住んでるアパートを解約するのどうの、という話になったとき、オレは一も二もなく飛びついた。

「オレに貸して」
「え、なんで、……オーナーんとこいればいいのに」
 ナオとアキオはオレが臣の家で暮らしてることを知っていた。

「しーッ!シュウに聞かれたらまためんどくさいことになるだろっ。……もう契約なんかヤダ。あのエロオヤジ、しつこいんだよっ」
「うわ、シュウが聞いたら羨ましくてめちゃくちゃ嫉妬するよー」

 昨日の夜、さんざんな目に合わされてたオレはけッと声に出した。
「熨斗つけてくれてやるよ、マジで。……家賃七万だっけ。絶対迷惑かけないから頼む、オレ、保証人いねーからアパート借りられないんだよー」

 オレの必死の懇願にアキオはついに折れて、アパートを貸してくれることになった。
 出ていくと告げても臣は顔色ひとつ変えなかった。
「アキオのアパートだろう。てめえで生活費稼ぐんならこれまでみたいに小金狙ってらんねーぞ」

 ヘヴンで起こることはオーナーの耳に筒抜けらしい。ひと月暮らす間、あてがわれていた玄関近くのゲストルームで荷造りをしながらオレは答えた。
「判ってる」
「当てあんのか? 本番ヤらせねえって話じゃねーか」

「うるせーなっ。あんたにはヤらせてやったろ、他のヤツとどうだろうとカンケーねーよ」
「俺だけだって告白か? それ」
「……バカ臣、死んじまえ!」
 
 投げつけた枕をひょいと事も無げにかわして臣は腕を組んだ。
 ……ああそうだ、臣の言うとおりだ。カラダは触らせても最後までヤったのは臣だけだ。今のところは。

 契約のせいか、なんとなく、他の男とは出来なかった。裏切り……じゃないけど他のヤツとヤったら、出て行け、と言われそうな気がした。気がしたってだけで、臣はひょっとしたらオレが他の男とヤリまくってても平然とベッドに引きずり込んだかもしれない。……オレは多分、「出て行け」と言われることより、オレが他の男と寝ても全く平気な臣を見ることの方が、嫌だったのだと思う。

 バカ臣は好きでもない奴にろくでもないつまんない優しさを時々みせる。そういうところが嫌いだ。期待だけさせて自分はちっとも揺れない、そういうところが吐き気がするほど本当に大っ嫌いだっ。
 
「相手選べよ。変な奴にヤらせると逆上せて付き纏われるぞ」
「また忠告? オレがダレと寝ようとあんたにつべこべ言われたくねー」

 臣はふっとため息のような息を吐いて、いつもの皮肉っぽい笑みを浮かべた。
「最後までつれねーな。……来いよ。餞別代わりに稼がせてやる」
 一瞬迷ったオレの肩を、煙草の匂いのする大きな手が包んだ。

 

 ……それから数ヶ月。
 火事が起きてアキオから又借りしたアパートが全焼するまで、オレはあのひとの存在を知らず、── 知った時には、自分のしてきたことの愚かさをひどく、後悔することになる。

                  

                            ……end
  

                             to be 「きみの手を引いて」

  

 .:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

 

 ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました。m(_ _)m

 こんなようなカンジで本編「きみの手を引いて」に続くわけですが、どうでしょうか、ハルのツンデレって臣に対してもっとも良く働いているような気がします。本命のカレよりも。┐(´-`)┌

 

 作中、未成年者の飲酒喫煙シーン、売買春などがありますが、あくまでもフィクションです。

 未成年者の飲酒喫煙、及び売買春は厳禁です。物語の進行上のことですので、宜しくお願いします。m(_ _)m

 

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               八月金魚 拝

  

       

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