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2009年12月

きみの2第七話更新&お礼小説最終話掲載

 今年最後の更新となります、第七話を掲載しました~\(^o^)/

 ……なんですけど、その内容はどん底。これで年越しってちょっとハルっちが気の毒な……( ´・ω・`)なにもこんなとこで終わらなくても。希望の希の字もないよ……(;´д`)トホホ…

 でもまだ絶望のとば口で、この後も割りと底辺が続くので取り繕ってもしょうがないだろうと(^-^;掲載しました。

 

 その代わり、と言ってはなんですが、拍手お礼小説の続き、第五話(最終話)を載せました。柚×ハルでラブラブ18禁(…)です。

 お礼小説「in heaven…」はこれで終了です。いつかもうちょっと構成変えて、改稿して、目次作って(やること多っ(lll゚Д゚))トップページから読んで頂けるようにするつもりです。……いつになるのかは判りません(´Д⊂グスン……。

 

 ええと、それでは、今年もありがとうございました。来年も頑張りますのでよろしくお願いします。o(_ _)oペコッ あッ来年、一月中旬までにはなんとか第八話を掲載したいと思っています。正確に何日、と言えなくてすいません

 少々早いですが、良いお年を゜.+:。(*´v`*)゜.+:。その前にメリークリスマスですねヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 

 拍手コメレスです↓

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きみの手を引いて2:第七話

 

  
 階段を昇ってくる足音にハルは、はっと顔を上げる。慌てて携帯電話を机の引き出しの奥にしまい込み、ベッドに腰掛けた。 
「─── 起きたんだね」
 部屋に入って来しな、後ろ手にドアを閉めながら長谷川は言う。
「急に気を失ってしまったから、心配したよ」
 
(……自分が一服盛ったくせに)
 灯りも点けずに近づいてくる長谷川をハルはぼんやりと見上げる。心の中では非難めいたことを思っていても、面と向かって糾弾する気にはなれなかった。
 長谷川は ───。
 
(どうか、している)
 激昂しない彼を穏やかな人柄なのだと思っていた。やんわりと自分の乱暴な言葉遣いや仕草を注意する紳士的な人物だと尊敬していた。
 しかし。
 
「買い物に行ってきたんだ。お腹が空いたろう?瞠の好きなビーフシチューを作ってあげよう」
 優しい口調。伸びてきた長谷川の指先がハルの髪の毛を弄ぶ。
(怖い)
 薬を使って気絶させた相手を手錠に繋いで言う言葉だろうか。
 
 いや、もっと言えば家出をした自分を非難し、怒鳴ってもいいくらいだ。告発すると言い出した自分に、みっともなく感情を剥き出しにして暴力的になってもいいはずだ。
 それなのに ───。

 この、奇妙に穏やかな優しさ。 
(……気持ちが悪い)
 どろどろとした得体の知れない何かに足元から絡め取られていく感覚。
「─── 帰らせて下さい……」
 
 吐き気がする。長谷川と、話したくない。
「帰して下さい。帰りたいんです。手錠を外して」
「ああ、これ」
 まるで今気付いたように長谷川はハルの左手首に目を落とした。繋がる鎖をじゃらと手に取る。

「今はどんなものでもネットで買える。便利な時代だ、……君が気を失ってしまった薬もネットで購入したんだよ。用量があっていれば意識を失くすことなく身体の自由を奪えたはずなのだけど」
 そんなことはどうだっていい。帰りたい、と言っているのに。
 
 話の通じないもどかしさに無力感を覚えながらもハルは懇願した。
「お願いです、これを外してください、訴えたりしません、一年前のことも、……一生黙ってます。帰りたいんです、柚月さんに、会いたい」
 会って、確かめたい。自分のことを心配してくれたか、どうかを。─── もし、心配してくれなくても。

「柚月さんと、一緒にいたいんです、一緒にいないと、オレ」
 不安で ───。
 柚月は、自分のことなど大して好きじゃない、という疑念に押し潰されそうになる。

「せめて、そばにいないと、柚月さんはオレのこと、忘れて」
 思わず口をついた縋りつくような自分の心情に、目を伏せる。─── こんな風だと疎ましがられて、柚月に嫌われてしまうと判っているのに。だから、甘えないようにしてたのに。
 
「……お願いです。これを外して、帰らせて」
「……赤くなっている。無理に抜こうとしたね……?」
 跪いた長谷川はハルの手を取り、その甲の手錠の痕を指でなぞる。背筋に粟立つような感覚を覚えながらも、逆らわない方がいいと教える本能に従ってハルはじっと耐えた。
 
「……外してあげてもいい、と思っているんだよ。……瞠がどこへも行かないと約束してくれるなら」
「…………」
 そんな約束、出来るはずがない。

 息を飲んで、ハルは長谷川の次の言葉を待った。細い手首を取り巻く手錠が僅かな月の光にきらりと反射する。
「これを外して、君がまた家を出たら」
 囁きながら長谷川はハルの目を覗きこみ、唇の両端を上げて、にい、と笑みを作った。

「僕は柚月 要を傷つけようと思う」
 その言葉にハルは呼吸を忘れる。見開いた目を瞬かせもせずに長谷川を見つめた。
「─── 一年も君が帰ってくるのを待っていたよ、瞠。邪魔をする人間は誰であろうと容赦はしない」
 
 言葉の激しさからは想像も付かないほど穏やかな口振りだった。だからこそ、不自然さが際立つ。
「大学院生なんだってね。彼は。……優秀な研究生で友達も多くて、周りから信頼されている。……君のことを知られたくない相手が、たくさんいる」
 一週間も時間があったからね、色々と調べることが出来た、と長谷川は楽しげな口調で語る。

「……は…せ、がわ、さん……」 
「─── 未成年者略取の容疑をかけられた彼は社会でまともに扱ってもらえないことに耐えられるかな? もしかしたら買春や未成年者に対する淫行の容疑も付くかもしれないね。それとも、物理的に暴力を加えようか? それなら対象は彼だけとは限らない。彼女のような幼馴染みがいるね。君がバイトをしていたカフェの店長は彼の従兄弟だそうじゃないか」
 優しい長谷川の声にハルは頭の芯がじんじんと痺れたようになる。うまくものが考えられない。

 茫然と霞がかった瞳を向けるハルに長谷川は、すっと目を細めた。
「……彼はきっと君を嫌いになる」
 小さく発した長谷川の言葉はハルの胸を貫いた。
 
「仕方なく置いてやってたのに、警察沙汰に巻き込んだ。厄介者。疫病神。もう二度と君の顔も見たくない、と……彼の恋人づらが剥がれるところが目に浮かぶ」
 不意に、ハルの胸元に伸びてきた長谷川の指が、Tシャツの外に引っ張り出したままだったドッグタグのプレートに触れる。

「さっき、Tシャツの上から握りしめてたのはこれかな……?」
 うな垂れたまま微動だにしないハルの視線の先で、長谷川はその複雑なクロスの模様を爪の先で引っ掻く。
「─── つまらないものだ」
 
 呟いて ───。
 長谷川は思い切りプレートを掴んで、瞬時にチェーンを引きちぎった。
(……あ)
 ハルは、声も出なかった。あまりにも簡単に切れて、自分の胸元から失せた柚月からのプレゼント。
 
 手の平に載せたそれを長谷川はつくづくと見やって、口元を歪めた。いつも浮かべている笑みの代わりに現れたのは、醜悪な、何もかも思い通りにならなければ気が済まない、長谷川の本性そのものの表情。
 
「……さ、それじゃこれも外してあげようね」
 スラックスのポケットから小さな鍵を取り出した長谷川はハルの手を取り、手錠の鍵穴に差し込む。かちゃ、と音がして鍵が外れた。ベッドヘッドに繋がれていたもう片方はそのままにし、立ち上がる。
 
 長谷川の右手の先から切れたボールチェーンが揺れている。

「もしこの家から一歩でも外に出たら、……瞠」
 長谷川は、続きを言わなかった。さっきまでの歪んだ笑みを消して、ただ穏やかな微笑みを浮かべる。─── 無言の脅迫。
 
 ベッドに座り込んだハルは繋がれてもいないのに身動き出来ず、長谷川の背中が部屋の外に消えるのをぼんやりと見ていた。
「…………」
 一人になった部屋で壁の掛け時計が、かちこちとやけに大きな音を立てる。落とした視線の先には赤い痕のついた手の甲とジーンズに包まれた膝と ─── 何もない、Tシャツの胸元。
 
 長谷川の脅迫で麻痺したハルの感情を呼び起こしたのは、もう失ってしまったものだった。
「……つまらなくなんか、ない……っ」
 押し出された微かな声は薄暗い室内に少しだけ響いて、消える。
 
 長谷川にはつまらなくても。他の誰にとってつまらなくても。
(あれは柚月さんがオレにくれたんだ。オレの誕生日に、柚月さんが、オレのために、選んでくれた)
(その時だけは)
 
(……柚月さんがオレのこと、……そんなに好きじゃなくても、その時だけは、……柚月さんがオレのこと考えて、……俺の欲しいもの、考えて)
(オレには、何よりも)
 特別だったのに。
 
 チェーンが引きちぎられた瞬間の首の後ろのぷつりとした感覚を思い出す。プレゼントされてから幾度となく触れたクロスの感触も、プレートの裏のロゴも。
 柚月さん、とハルは涙声で彼の名を呼んだ。

 

 

 

 
 階下に降りた長谷川は手にしていたアクセサリーを燃えないゴミの袋に放り込んだ。
 ─── ちゃちな、大して価値のない銀細工だ。こんなものに執着するなんて、瞠はどうかしてしまったんだろうか。
 考えながらキッチンに立つ。レジ袋から食材を取り出して調理に取りかかった。

(やっと帰ってきてくれた)
 一年以上もの長い間、ずっとあの子が帰ってくるのを待っていた。

 久しぶりに顔を出したかつて自分が暮らしていた施設で、あの子を初めて見た時、その美しさに驚いた。言葉遣いは汚かったし、身形もそれは良くなかったけれども、そんなことは後からどうにでもなる。
 問題は中身だ。あの子は奇跡のように綺麗だった。
 
 引き取りたいという自分の申し出に、あの子はびっくりしてそれからぱっと顔を赤らめた。頷きながら「高校、行っても、いいんですか……?」と恐る恐る訊ねるあの子がどれほど可愛らしかったことか。
 
(……すっかり、僕のものだと思っていたのに)
 触れられることに慣れておらず、最初のうちはびくついていたあの子も次第に大人しく身を委ねるようになった。その様子が余りにも可愛くて、つい無理を強いてしまったが。
 
(僕のもとから逃げ出すなんて。……ならば最初から思い知らせておくのだった)
 長谷川 瞠は、頭の先から足の爪先まで髪の毛ひとすじ余さず僕のものだと。
 
(今度はちゃんと判らせてあげないと)
 また、邪魔者が現れないように。もう逃げ出したりしないように。
 
 支配欲に満ちた薄い笑みを無意識に浮かべながら、長谷川は鍋を火にかけた。

 

 

     

     目次第八話
 

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お礼小説の続き……

 お礼小説「in heaven…」の第四話を拍手画面に掲載しましたヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 ……なんだこりゃ、バカップルはお前らだ……┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

 和臣とハルがその昔、そういう間柄だったのを漂わせたくて(この後、本編で重要なファクターになる予定なので…あくまでも予定ですが^^;)こんな話にしたのですが、結果ビックリするほどラブラブに。もうちょっと最初のとこを掘り下げるべきだったな……。

 まあいっか、途中から柚月×ハルでリカバリー。本編第三話、環さんとケータイで話す柚月、『……自分の嫉妬深さにちょっとうんざりして、咳払いをした。』の……のところです。本編のハルの不安を補強するべく、こっちの二人バージョンも書きました。

 ハル視点。不安な気持ちを補う為でもあるんですが、なんといっても嫉妬する柚月をハルから見るのが面白いからです。( ̄ー ̄)ニヤリ

 やっぱり面白くないとね~。「きみの2」がああいう話になるのは覚悟の上だったので、今さら書きたくないってことはないんですが、書いて楽しい面白いで言うと「in heaven」の四話五話になりますね……。

 まあそんな八月の思惑はどうでもいいとして、読んで頂けたら嬉しいです。o(_ _)oペコッ

  

 たくさんの拍手、ありがとうございます(≧∇≦)

 

 コメレスです……

 八月の文章を気に入って下さった方、ありがとうございますヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ
 >ほのぼのしていて透明感があって、ふわふわ雪のようで。……(/ω\)ハズカシーィあんまり褒められると嬉しすぎてキョドってしまいます……モジ(((*´ε` *)(* ´З`*)))モジ
 年末の営業ですが、23日が今年最後の更新になると思います。25日には旦那さんの実家に帰省するので、少し早仕舞いです。23日には、本編とお礼小説ダブル更新を目指してます!……ちょっと自分を追い込んでみました。ええ、もう、やけっぱちです。時間がなーいっ!でもやる気だけはある!頑張ります……温かい目で見守って頂けると嬉しいです……(;ω;)

 

 近況です↓(というか今日の出来事

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「きみの2」第六話更新

 第六話更新しました。

 

 「in heaven…」の拍手コメレスです……

 Kさん、ナオ可愛いとのコメント、ありがとうございます(≧∇≦)
 結果、和臣をイロイロと喜ばせてしまったので、ナオとしては納得がいかないかもヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ
 ラブラブには違いないですけどね…はは…。次話のほうが見ようによってはもっとアレかもしれません。アレってなんだ…┐(´д`)┌そんなですが、第四話もよろしくお願いしますo(_ _)oペコッ

 お名前のない方、>んもー何だよ何だよーって感じですね(笑)…その通りです。本当になんなんでしょう、この二人、ようするに甘々でラブラブです…このお礼小説載せてから一体何回ラブラブって書いたことか(;´д`)トホホ…そんな臣×ナオですが、次話もよろしくお願いしますo(_ _)oペコッ もっと甘々かもしれませんが…┐(´-`)┌。

 第六話のネタバレしてます……↓

 

続きを読む "「きみの2」第六話更新" »

きみの手を引いて2:第六話

 

  
「ん……」
 頭痛と共にハルは目を覚ました。薄暗い闇の中、見覚えのある天井が目に入る。額に右手を当てて身を起こすと、左手首の違和感と共に、しゃら、と聞き慣れない音がした。
 
(……え、と、……オレ、どうしたんだっけ……)
 家に ─── 長谷川の家を訪れた。帰るつもりはないこと、養子離縁の手続きをして欲しいことを長谷川に伝えて……。
 
(「彼のことも誘惑したんだろう」)
(「僕とのことを聞かされても、合意の上としか思えないような情事を聞かされても、彼は君に誘惑されたと思わないでいてくれるかな? 悪いのは君だと思わないでいてくれるかな……?」)
 
 長谷川の言葉に血の気が引く思いをした。─── その言葉はハルの弱点を、自分のほうが柚月を好きで、柚月はさほど想ってくれていないのかもしれない、という不安を的確に攻撃した。
 
 思い出した途端にその不安は増幅する。うまく呼吸が出来なくなるほどのそれを、落ち着かなくては、とハルは頭を横に振って追いやった。

(そ、……それから、そうだ)
(急に身体の力が抜けた)

 気が遠くなって、気がついたらここにいた。
(……ここ)
 二階の自分の部屋だった。長谷川とハルが一緒に暮らしていた頃、使っていたハルの部屋。

 ─── 夜になると時々、長谷川が訪れた、部屋。
 その考えに、びく、と身体を震わせ、辺りを見回す。
 暗闇の中、ハルはベッドの上にいた。小さなベランダに続く窓はカーテンが締め切られている。綺麗なままの勉強机。フローリングの床に置かれたローテーブルにクッション。

 長谷川はいなかった。
 
 自分をこの部屋に運んだのは間違いなく彼だった。出されたアイスコーヒーに何かの薬が混ぜてあったのだろう。薬が効きやすい体質なのはヘヴンのオーナーのマンションにいた頃、知った。自分の体質を知らない長谷川は身体の自由を奪う程度に仕込んだつもりで、多く入れ過ぎた。昏倒した自分を抱えて二階へ上がって ───……。
(……それで、コレ)

 左手首の冷たい違和感に耐えかね、目線の高さまで持ち上げてみた。
 しゃら、と鳴る、それは。 
 手首に嵌まっている手錠から伸びた鎖の金属音。

 ハルの左手首は手錠を掛けられ、鎖のその先はベッドヘッドに繋がれていた。
 
(……ヤベーな、これ。ホンモノかな)
 冷静に考えながらも、長谷川に思いを巡らせる。
 ドリンクに薬を入れて意識失わせて、手錠付けて監禁。
(完全に、ヤバいじゃん。フツーありえないって)
 
 茶化そうとして出来ず、足元から冷えてゆくような感覚から意識を逸らす。
 手錠をしげしげと観察しながら抜けないかどうか、試みる。抜けなかった。
 手の甲に出来た二重線の赤い痣を反対側の手で擦りながら、ベッドから足を下ろした。
 
 幸いにも鎖には余裕があり、ベッドを降りる程度なら支障はない。小さなベランダに続いているすぐそばの窓に右手を伸ばし、少しだけカーテンを開けた。
 外は陽が落ちてすっかり暗くなっていた。月が、中空にかかっている。

(……帰らないと)
 こんなに遅くまで帰らないと、柚月が心配する。

 考えながらも力が抜けてカーテン越しのガラス窓に凭れる。ずるずると座り込んだ。
(……手錠、スゲーな。ハンパねー)
 手首を戒める金属の冷たさはハルの気力を根こそぎ奪う威力があった。逃げられない、とベッドに繋がれた鎖が、じゃら、と音を立てて教える。

(オレ、なにやってんだろ)
(なんでこんなとこいるんだろう。……ほんとは柚月さんちじゃないのかな、ココ)
(もうすぐ柚月さんが帰って来て、そんで)

 ハルは頭を振って、今の状況を忘れて余所へゆこうとする心を引き止めた。─── そんなことをしても事態は一向に変わらない。
 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

(オレは今、多分ショックを受けている。長谷川さんに一服盛られて監禁されたからだ。……よし、客観的に見れる。大丈夫)
 落ち着け。落ち着け。大丈夫。

(まずは、コレ外さないとダメだ)
 立ち上がったハルは勉強机の引き出しを開けてクリップを探し出すと、それを伸ばして手錠の鍵穴に突っ込んだ。
 かちゃかちゃかちゃ……。

「……なんだよ、外れろよ……っ」
 ちきしょう、と口の中で呟く。曲がってしまったクリップをもう一度丹念に伸ばして、鍵穴に差し込む。涙が滲んでいることには気が付かなかった。

「……どうせおもちゃだろ、ホンモノじゃないだろ?……なんで外れないんだよ……!」
 クリップが指先からこぼれて、膝の上に落ちた。がくがくと震える右手を手錠の掛かる左手で握りしめた。そのまま、唇に押し当てる。

(落ち着け。落ち着けって。鍵が外れないんなら鎖だ。鎖を切る)
 震える手で、しゃらり、と鎖を掴む。
 暗くて、継ぎ目が良く見えないことに気付いた。今まで月明かりだけで作業を進めていた。

(は、……全然ヨユーねーじゃん、オレ)
 もう一度深呼吸をして、自分を取り戻す。
(……明かり、は、……点けない方がイイよな。長谷川さんに、オレが気が付いたって知られる……いや、知られてもいいのか……? ダメだ、様子見に来られたらそれこそ逃げられなくなるかも)
 
 長谷川さんはどうしたんだろう。下にいるのか。それともどこかへ。
 考えながら月明かりになんとか鎖の継ぎ目をかざす。

(─── ケータイ)
 不意にその存在を思い出し、握り締めていた鎖を取り落とした。自分では気が付いていないが、混乱の極みにあったハルは動転して忘れていたのだ。
 慌てて、自分の着ている物を確かめる。パーカーの内ポケットにそれはちゃんとあった。
 
 取り出した薄い携帯電話のフォルムに安堵を覚え、電源を入れようとし ───。
 指先が、止まった。
(……柚月さんに電話して、助けに来てもらう ───?)
 
 それは、ダメだ。まず長谷川が家に上げないだろうし、無理に侵入すれば犯罪行為になる。
(……今現在、オレが犯罪行為に晒されてんだけど)
 けれど、それでも、柚月を犯罪に近づけたくない。ただでさえ、自分を家に置いたことで彼の立場は危うくなっている。
 
(じゃあ、ケーサツ……)
 (警察を呼んで、保護されて、……どうしてこんなことになったか調べられて、長谷川さんとのことや、柚月さんのことも調べられて……)
 何もかも公になって世間の好奇の目に晒されるのは、容易に想像出来た。

(オレはいい、どうせ自業自得なんだし……でも、柚月さんは)
 おおごとにならないように、穏便に、柚月の身内の手も借りずに解決出来るようにと、ここに単身乗り込んできたのに、その意味が全く無くなってしまう。
 
 それどころか、一番悪い形で公表され、柚月のこともどんな邪推を生むか判らない。
(……柚月さん)
 もし ───。
 自分がこのまま、ここにいたら、どうなるだろうか。
 
(何も起こらない)
 警察沙汰の醜聞にもならず、柚月に迷惑もかからず、長谷川は満足し……。
(……オレが、おとなしく、この家にいれば)

 目を覚まして一番最初に感じた不安が頭をもたげる。
(「─── 僕とのことを聞かされても、合意の上としか思えないような情事を聞かされても、彼は君に誘惑されたと思わないでいてくれるかな? 悪いのは君だと思わないでいてくれるかな……?」)
(「君のほうが彼を好きなんだね」)
 
 ─── 柚月が自分を想ってくれるよりも、自分のほうが、柚月のことを好き。
 ハルの内側にその気持ちは僅かに、けれどはっきりとあった。

 重たい、と嫌われるのが怖くて、自分の服を柚月の部屋に置いて欲しいと頼むことも出来ないほど。
 柚月の歓心を買いたくて、本当は嫌なのに「飲みに行っていい」と強がってしまうほど。
(……オレは柚月さんのことが好きだけど、柚月さんは)
 
 柚月は大人で世界が広くて友達もたくさんいて、その中にはあやのように綺麗な女性もいて、……柚月には、自分など、たまたま拾った毛色の変わった居候に過ぎない。
 居候に好かれてしまったから、やむなく手を出して、……もう今さら振り払うことも出来ない。
(……柚月さんが心配してくれている、なんて ───)
 
 どうして、確信が持てるのだろう。
(……帰ってくれて良かった、面倒に巻き込まれずに済んだ、って……今頃ほっとして)
「……ちがう」
 
 そんなはずはない。優しい柚月は、きっと、自分の身を案じて。
(……もし、電話して……柚月さんの声が迷惑そうだったら……?)
「……ちがう。違う……っ」
 
(オレの為にご飯作ってくれた。ここにいていい、って何度も言ってくれた。何言われても嫌いになれないって、……オレだけだって、オレのものだって、言って、……ドッグタグだって)
 携帯電話を放り出し、Tシャツの中からチェーンを引っ張り出す。浮き上がったクロスに複雑な模様が施されたプレートをぎゅっと握り締める。
 
 その仕草にしゃらしゃらと左手首を繋いだ鎖が鳴り、ほぼ同時に階段を昇ってくる足音が聞こえた。
 

 

 

   

     目次第七話
 

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拍手お礼小説の続きを掲載しました。

 「in heaven…」の続き、第三話を拍手画面に載せました……

 しかもまだ続きます。ラブラブです┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~なんだこりゃ……もう勝手にしろってカンジ(≧ヘ≦)どいつもこいつも( ゚д゚)ポカーン

 読み返してそんなことを思ってる八月ですが、一生懸命書きました。本当です。大マジメ。

 四話、五話まで続く予定ですが、まだ粗っぽいので手直し中です。

 でも、はなからこんなに続くと判っていたら番外、というかサイドストーリーとして普通に連載するんだった……読んで下さる方に申し訳ない、めんどくさい仕様になってしまってすいません……(´・ω・`)ショボーン

 あ、本編もよろしくお願いします……(←ついでかよッ?Σ( ̄ロ ̄lll)

6万アクセスありがとうございます(≧∇≦)

 ついこの間、5万アクセスありがとうございます記事を掲載したのに、もう6万を突破するなんて……本当に嬉しいです((w´ω`w))ありがとうございます

 これからも頑張りますのでよろしくお願いしますo(_ _)oペコッ

 

 コメレスです……

 ハルが心配、と拍手コメント下さった方、ありがとうございます(o^-^o)
 かなり最初の方から長谷川さんはメンヘル系で行こうと思ってたので、そのようにただいま努力中です……これが結構四苦八苦(@Д@;夢野久作やらロオトレアモンやらが好きな割りには単細胞な八月なので、もう、ツライです(;ω;)しかし、書く。書きたいから~( ´;ω;`)ブワッ
 次話も頑張りますので、あッハルはますます心配なことになると思いますが、できればよろしくお願いします。

 ナオの天然に振り回される和臣に同情して下さってありがとうございます(^-^;
 恋敵(レイ)に同情されたこともあるカレですから、その心労たるやどれほどか( ̄ー ̄)ニヤリしかし第三話でかなり報われます( ̄▽ ̄)それなりにガンバレ、和臣。
 拍手お礼小説の続きもよろしくお願いしますo(_ _)oペコッ

  

 

きみの2第五話更新しました。

 第五話更新しました~\(^o^)/

 後になって、大幅なストーリーの改稿をしなくて済むように細心の注意を払っているのですが、ひょっとしたら……と思うときもあります。それがこの一話です……。

 というか、これから先、ずっとそんなカンジじゃないかと

 手探り、不安定、綱渡り、といった足元の覚束ない単語が頭の中をぐるぐるします……(;ω;)(@Д@;

 なる……なるべく改稿しないで済むよう、努力しますのでよろしくお願いします~。゜゜(´□`。)°゜。

 

きみの手を引いて2:第五話

 

  
 指先で、Tシャツの上からドッグタグのプレートの確かな質感を探る。ハルは静かに言葉を続けた。
「養子に性的虐待を加えたなんて、─── 外聞が悪いでしょう?」
 
 柚月さん。柚月さん。
(……オレは、柚月さんがそばにいてくれると思うだけで、こんなにも強くなれる)
 その手を離さないと言ってくれるだけで。
 
「長谷川さんには、感謝しています。だけど、オレはあのひとと一緒にいたい。……あなたのしたことは忘れます。なかったことにします。その代わり、もう、関わらないで欲しい」
 
 もしも、柚月の名誉を傷つけるようなことがあれば、長谷川が自分にしたことを公表する。自分が公の場で辱められることも厭わない。─── ハルが考えに考えた結論はそれだった。
 自分が声高に長谷川に強姦されたと言えば、信じはしないまでも世間は長谷川を疑いの目で見るだろう。

(それだけでいい)
 長谷川が、そう想像し、そんなことになったら困る、と思うだけでいい。
 それは、長谷川が柚月を傷つけることへの抑止力になる。自分と柚月の生活を壊させない為の、最大の防御。
 
 わざわざ、柚月の身内の弁護士の手を煩わせることもない。長谷川が自分を諦め、合意の上で養子離縁をしてくれればいい。
 
(─── オレはいつでも、長谷川さんを告発出来る)
 ハルは目に力を込めて長谷川を睨めつけた。
 
 ゆっくりとした仕草で脚を組み変えた長谷川は、眇めた目でハルを見据えた。
「─── 沈黙と引き換えの、脅迫?」
「違います。取り引きです。……オレの言うことダレも信じなくても、疑われるだけで、困るでしょう?……」
 長谷川は ─── 。
 
 端正な顔を歪ませて、くすり、と笑った。
「君に誘惑されたんだ」
「……え?」
 
「君はその綺麗な顔と身体を使って僕を誘惑した。僕は不覚にも一度だけそれに乗った」
 一瞬、ハルの頭の中は真っ白になった。言葉を失う。─── 疑われるのを恐れるだろうと思っていた長谷川は、それさえも飛び越えて、自分に誘惑されたと ─── 悪いのは瞠だ、と言おうとしている。 

「……そんなことをしてはいけない、と諫めた僕に君は怒って、家出をした」
 一体、いつ、そんなことを。ハルは思わず立ち上がって長谷川を見下ろした。
「でたらめだ……!」
 
「僕の話と、君の話。─── どちらが信用してもらえるか、試してみるかい。ああ、『誰も信じなくても』と君は自分で言ったね。……僕の話の方が信憑性がある、と君は思っているわけだ」
 軽い冗談だと言わんばかりの長谷川の口調。手にしたグラスを揺らして、氷を鳴らす。
 
「……あの頃の君はとても可愛かった。今の君と違って。……従順で、僕の言うことを何でも聞いて、抵抗などしなかった。誘惑されたも同然だよ。何をされても構わない、というように君は大人しかった。……性的虐待なんてとんでもない」
 
「───」
 それは、自分を引き取ってくれた長谷川に嫌われ、見捨てられるのが怖かったから。長谷川が求めるものを与え続ければ、ずっと「父親」でいてくれると思ったから。
 けれど、それはやはり辛くて。自分に欲望を向けてくる長谷川が怖くて。
 
(だから逃げ出した)
 あの時、抗わずに長谷川にされるがままになっていたのは、誘惑したのと同じことなのだろうか ─── ?
 
 ハルの声は小さく震えた。
「……オレは、誘惑なんてしていません。嫌だった。あんな、……こと、されるのは」
「それじゃ、君がどんな風だったか、調停で詳しく話す?……キスをした時、おずおずと応えようとしたり、僕の唇が、指が身体中を這った時の君の声や、あられもない格好をさせられて感じていた君の」
  
「やめて下さい!」
「彼が ─── 柚月 要がそれを知ったらどう思うだろう。……やはり、君が誘った、と思うんじゃないかな?……彼のことも、誘惑したんだろう」
「違います!……オレは……オレの方が柚月さんを、好きかも知んないけど、でも、……柚月さんもオレを好きだって……言ってくれて」
 
「─── そう。君のほうが、彼を好きなんだ」
 落ち着いていた長谷川の声が少しだけ冷ややかになり、ハルの耳を打つ。
「……僕とのことを聞かされても、合意の上としか思えないような情事を聞かされても、彼は君に誘惑されたと思わないでいてくれるかな? 悪いのは君だと思わないでいてくれるかな……?」
(それは)

 ハルの心に不安が拡がる。……最初に、柚月を誘ったのは、自分の方だった。
(……柚月さんのこと、好きだったから。触って欲しかったから)
 じゃあ、柚月は?……自分の方が、柚月を想っていて触れたくて、柚月はそれほど、……触れたくなかったとしたら?
 
(自分のことも、長谷川さんと同じように誑かしたんだ、と柚月さんに、……柚月さんが、そう考えたら?)
(そんなはず、ない)

 ハルは立ったまま、Tシャツの胸の前を掴んだ。ドッグタグの質感がハルを僅かに安定させる。
 ─── え?
 手が、確かにTシャツの上からドッグタグを掴んだはずの手が、滑り落ちた。 
 
 力が入らない。ハルは呆然と力なく脇に垂らされた自分の腕を見つめる。
 その、視界がぐらりと揺れた。
(なんだこれ……っ)
 
 感覚がおかしい。酔った時のような酩酊感で頭の芯がぐらぐらする。
 力が抜けていき、気が付いた時にはソファーにくず折れて横になっていた。
「……っはせ、がわ、さ……なに……」
 
 霞む視界に半分残ったアイスコーヒーのグラスを捉える。外側の水滴がつっと落ちた。
「─── 言っただろう。僕も話があるんだ。気を失うほどの量じゃない。そのまま聞いてくれるね」
 
 ガラステーブルの向こうでスラックスに包まれた長谷川の足が立ち上がる。
「おかえり、瞠。ずっと待っていたよ。─── 一年前と変わらない君なら、……せめて一週間前のように大人しい君ならこんな薬を使わなくても済んだんだけれど。……あんな目で僕を見るなんてすっかり変わってしまったんだね」
 
 この髪と同じように、と長谷川はハルの髪の毛を掴んで引き上げる。ハルは痛みもよく判らず、頭が浮いたような感覚が鈍くあるだけだった。
「……二度と出て行かせないようにする為に、考えたんだ。ずっと僕といて欲しいんだよ……瞠」
 
 そばにいる長谷川の声が遠くなる。─── 気を失う量じゃないって言ったくせに、ウソツキ、と長谷川を心の中で詰ったのを最後に、ハルは意識を失った。

 

 
 
 
 
 
 
 時刻は午後七時を回っていた。柚月は壁に掛けられた時計を見上げて、ほんの少しだけ焦れる。
(あいつ。……なにやって)
 ハルのバイトが終わるのは五時だった。その後は別の学生バイトが入って午後九時までがヴィンテージの営業時間だ。時々、学生バイトの休みでハルの上がりが押すこともあったが、七時は遅過ぎる。
 
 大体、遅くなるならばメールの一つも寄越せば済むことだ。それも出来ないほど忙しいのだろうか。
 電話しようかと携帯に手を伸ばして、思い止まる。まだ七時だ。仕事中ならば携帯の電源を落としているだろうし、万が一、鳴ったら鳴ったで環に冷やかされて居たたまれない思いをするだろう。
 
 ため息を吐いた柚月は掛けていたエプロンを外し、ダイニングチェアの背に乗せる。テーブルの上には出来上がったばかりの夕食が並んでいた。
 ソファーに移動してTVの前に陣取る。バラエティー番組をやっていたが、内容が全く頭に入って来ない。
 
 柚月はものの十分で立ち上がった。
(……遅い!) 
 独占欲が強い、と環に揶揄されようが構うものか。カウンターに置いてあった携帯電話を乱暴に取り上げた。
 
 リダイヤルから一番上の「ミハル」を表示させ、耳を澄ませる。
 ─── 音声案内が、ハルの携帯電話の電源が入っていないことを伝えた。
 ここまでは予想通りだ。多分、バイトが押しているのだろう。
 
 少し環に対して恨みがましい気持ちになりながらも、直接ヴィンテージへ電話を入れた。
『はい、……なんだお前か。どうした、……ハルくん? 定時で上がって帰ったよ』
 環の言葉に柚月は戸惑う。五時に、帰った?
 
 予期していなかった環の言葉に、思わず息を詰めた柚月の沈黙は事実を雄弁に知らせた。
『……帰ってないのか?』
「あ、……いや」
 声音が否定になっていなかった。不意に湧き上がってきた不安を打ち消そうと柚月は言葉を続ける。
 
「……きっとどこかで買い物でもしてるんだろう。あいつだって遅くなることぐらい」
 なかった。今までは。
 ハルが帰って来なかったことはただ一度だけ。
(……俺に迷惑をかけるのが嫌で、成沢さんの家に行った時だけ)
 
(「君に迷惑をかけてばかりではいられない」)
 名刺。一週間。自分で帰ってくるように、と ───……。
 フラッシュバックする頭の中でパズルがかちりと合うような気がした。しかし柚月はそれを払いのける。

『……要。要、聞いてるか? ケータイは? ハルくんの』
「ごめん、環さん、また連絡する」
 環の声を聞かず、電話を切った。

 もう一度、ハルの携帯電話にかけてみる。
(……今朝、ちゃんと話した。野村さんに間に入ってもらって、話を付ける。ハルも納得した。……ここにいて欲しい、と気持ちを伝えた)
 あの男の家に行くはずがない。

 柚月の不安を煽るように、ハルの携帯電話の電源が入っていないことを音声案内が教える。
 携帯電話を閉じて、じっと手の中のそれを見つめる。
(─── まさか)
(まさか、本当に、あの男のところに)
 
 呆然とソファーに座り込む。力の抜けた柚月の指先から、携帯電話が滑り落ちていった。

      

     目次第六話 

 

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 コメレスです……(o^-^o)

 Kさん、コメントありがとうございます。「in heaven2」サイコーでしたか?大変嬉しいです\(^o^)/
 第三話もイロイロと頑張ってます。割りと…八月にしては(@Д@;
 しかしエロいえっちを書くのはやっぱり難しいっス……(´・ω・`)ショボーン
 第三話もよろしくお願いしますヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 ちろるさん、お久しぶりです~(*^-^)長谷川さんのこと心配してくれたのはちろるさんだったんですね!w(゚o゚)w優しい方だと思ってました(≧∇≦) 
 ところで「in heaven…」の「ヘヴンに行って柚月がハルをミハルと呼ぶ」ネタはちろるさんから頂いた(小説家になろうサイト様投稿時代、頂いたコメントありがとうございます)んですが、もうちょっと「きみの」寄りにしたほうが良かったですよね……なんかどうしてもヘヴンになっちゃって(;;;´Д`)ゝ
 それと、長谷川さんがカレ(載せちゃっていいか判らないので、伏せて)と、っていうのはナイと思います……カレには構想中の「ヘヴン2」(タイトル考えろ┐(´-`)┌)で活躍してもらう予定なので。ああ、でも、ヘヴン2どうだろうな……予定なだけで書くかどうかは判りません(・_・)エッ....?
 自分の作ったキャラのことを考えて頂けるのは本当にありがたくて、すごく嬉しいです。でもストーリー上、不幸になってしまうキャラもいます……すいません(;ω;)
 これにめげず、コメント下さると嬉しいです((w´ω`w))
 
 

 「きみの2」の拍手お礼小説「In Heaven on a certain night」の続き、書きました。

 予定通りの18禁。┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

 一話目の最後の方にある拍手ボタンを押すと二話目が読めるようになっています。

 三話目はただいま制作中。そして、三話目の方がえろえろに。

 スイマセン……もう、申し開きのしようもございません(@Д@;

 ヘヴン、15禁で頑張ってたのに……「きみの」のお礼小説でヤっちゃうとは( Д) ゚ ゚

 その内、ヘヴンの番外として普通に読めるようにUPしたいと思います……(;ω;)

 

きみの2第四話更新

 第四話、更新しました~\(^o^)/

 拍手コメントで長谷川さんのことを気にして下さった方、ありがとうございます(;ω;)
 嫌いだけどきっと可哀想なひとだから幸せに、と言って下さるなんて……なんて心優しい方でしょう。゜.+:。(*´v`*)゜.+:。果報者だ、長谷川さん……しかし、ああいう人なので幸せになるのは難しいかもしれません。( ´・ω・`)

 ハルを諦めるのが彼の幸せへの近道かと、思います……(´;ω;`)ウウ・・・

 ↓第四話のネタバレしてます。

続きを読む "きみの2第四話更新" »

きみの手を引いて2:第四話

 

  
 日を追うごとに ───。
 ハルの口数は減っていった。ぼんやりしていたかと思うと、不意に落ち着かないようにそわそわと部屋の片付けを始めたり、一度畳んだ洗濯物を畳み直したりしている。
 
 環から電話をもらわなくても、ハルの様子がおかしいことに柚月は気付いていた。うちであの様子なら、ヴィンテージでの様子も推して量るべしだろう。
 原因ははっきりしていた。
 
「……柚月さん。あの、オレ」
「もう少しで出来るからな。座って待ってろ」
 朝、キッチンでフライパンを振るっていたところへ、恐る恐る話しかけてきたハルを柚月は遮る。─── 話の内容は想像がついた。
 
 ここにいていいのか、とハルは問おうとしている。
 何度でも、ここにいていい、どこにも行くな、と答えるつもりだが、その不安を根本から取り除きたくて、柚月は一週間目の朝食の席でハルに告げた。
 
「─── 弁護士に相談しようと思う」
「べ……弁護士?」
 
「ああ。叔父が弁護士で管財人やってくれてるって、前、話したろう」
 両親の遺産の管理をその人物に任せていた。母の弟で両親の生前から懇意にしていて信頼出来る人となりだ、と話すとハルは目を伏せた。
 
「うん、……」
 そんな立派なひとが自分の味方をしてくれるだろうか。ハルが第一に考えたのはそれだった。むしろ、ハルを長谷川のところに帰して、柚月は何もなかったことにした方がいい、と言われるのではないだろうか……。
 
(オレ、ほんとに厄介者なんだな)
 自分でさえそう思う。自分が長谷川の家に戻れば、何もかも、丸く収まるのだ、と。
(だけど……)
 
「野村さん ─── その、叔父さんだけど、野村さんには俺から話す。お前は何も言わなくていい」
「……そういうわけにはいかないよ。だって、オレが、……オレが、長谷川さんと、……そういうことンなって……そんで家出して……柚月さんちに置いてもらってんだもん……」
 
 消え入りそうなハルの声に柚月は断固として言った。
「俺が相談する。お前は、話さなくていい」
 辛いことは思い出さなくていい、と柚月の声音が言う。
 
「…………」
 黙ってハルは朝の食卓を見つめた。熱いコーヒーの入った新しいマグカップ、トーストにサラダ、ハムを添えたスクランブルエッグ。─── 目の前には、自分のために、迷惑ばかりかける自分のために、それらの食事を用意してくれる大好きなひとがいる。
 
「……判った」
 ハルの承諾を得て、柚月はほっとしたように笑みを浮かべた。
 マグカップを手にしたハルは、一口飲み、静かに言った。
「……でも、一日だけ、待って?……オレのこと話されんの、やっぱちょっと、……心構えがいるからさあ」
 
 最後は軽く言い、茶化そうとする。そんなハルが痛々しくて、柚月は目を逸らした。
「……ごめんな。そんなこと話されるの、嫌だって、判ってる……」
 柚月もそれが判っていたので、環の忠告を受けてから ─── 二人だけでどうにかしようとするな、と言われてから、決心するのにこんなに時間がかかってしまった。けれど、もう猶予はない。長谷川は、一週間だと言った。
 
「明日、野村さんに連絡取って、時間を作ってもらう。……きっと、味方になってくれる」
「……うん」
 柚月が自分のために、一生懸命になってくれている。それだけでハルは自分が強くなれるような気がした。
 
(オレが、長谷川さんの家に帰れば、丸く収まる……けど)
(柚月さんがここにいていいって言ってくれてるから。……オレがここにいれるようにする為に一生懸命だから)
 だから、オレも、頑張ろう。
 
 ハルは晴れやかに笑って、スプーンを手にした。

 

 
 
 
 
 
 ─── 綺麗に整備された住宅地の一角にある、ラティスと緑の垣根に囲まれた一軒の家。門扉から中の様子を窺うと、少し離れて玄関があり、庭には中低木が植わっていて芝生が敷き詰められている。錠がかかっているわけではないその門扉をそっと開いて、レンガの敷石に足を踏み入れた。
 
 元通りに門を閉める時、キイ、と音がした。日が暮れるにはまだ少し時間のある六時前、それでも梅雨時とあってなんとなく薄暗い。ハルは尻込みしそうな気持ちを奮い立たせて足を進め、玄関ドアの前に立った。
 
 深呼吸をして、Tシャツの上から羽織ったチェックのパーカーのポケットに手を入れる。─── 中の携帯電話を握り締めると少し気分が落ち着いた。柚月に知られれば止められることは判っていたので、電源は切ってある。
 それでも、柚月の存在を身近に感じられるそれは、ハルに安堵をもたらす。

 震えそうな指先を抑え、インターフォンを押した。
 開いているから入りなさい、と応答を受け、ドアを開く。
 綺麗に掃除された広いタイルの玄関で框に上がらず立って待っていると、奥からゆっくりとした足取りで長谷川が現れた。
 
 スーツのジャケットを脱いでネクタイを外し、Yシャツの一番上のボタンが止まっていないところを見ると帰宅したばかりなのだろう。ハルも、それを見越した上でこの時間に訪れた。
 
「おかえり。……上がりなさい」
 やはり、有無を言わさぬ強制力を持つその口調。上がり框から見下ろす上品で穏やかな笑顔を、ハルは頭を上げて傲然と見上げた。
 
「オレは、帰ってきたんじゃないです。話があって来ました」
 もう逃げるのは終わりだ。ハルはヴィンテージのバイトを終えてからここに来るまでの間、呪文のように唱えていたその言葉を、反芻する。
 
 ─── もう逃げない。柚月さんがオレの手を離さないなら、オレも離さない。
 オレが、柚月さんを、守る。
 
 ハルの目に何かを勘付いたのか、長谷川は気圧されたように笑みを消す。
「そう。奇遇だね、……僕も話があるんだよ。……上がりなさい」
「………」
 ここでいい、と突っぱねることも出来た。それでも、きちんと話がしたい気持ちが勝り、ハルは一年ぶりに長谷川の ─── 自分の家のリビングに入った。
 
 かっちりとしたフォルムのアイボリーのソファーが向かい合わせで目に入る。その下に敷かれた絨毯や大きなTV横のサイドチェストは黒色で、一年前と変わらず洗練された印象を見る者に与えた。よく手入れをされたモンステラの緑が白い壁際で映える。
 
 ソファーにハルを座らせた長谷川は続きのダイニングキッチンに消えた後、アイスコーヒーを二つ作って戻ってきた。横に長いガラステーブルの上、ハルの前と自分の前とに一つずつ置き、ハルの真向かいに座った。
「─── どうしてオレのいる場所が判ったんですか」

 先に口を開いたのはハルだった。本当に話したいことは別だったが、いきなり本題に入ることに躊躇を覚え、とりあえずの疑問を口にした。
「一度も連絡したことなかったし、……偶然、じゃないですよね」
「そうだね。偶然じゃない」

 ゆったりと足を組んだ長谷川はハルに探るような視線を向ける。─── 一週間前の怯えた様子とは打って変わって、強気なハルを訝しく思っているのが見て取れた。
「ネットでね。……女の子が自分の近くの格好良い男の子を紹介しているサイトがあって。紹介文と一緒に写真を掲載しているんだよ。もちろん、はっきりと居場所が特定出来るわけじゃない。けれどアルバイト先は判ったよ」
 
 ヴィンテージで ───。
 写真を撮られた。
 大したことじゃない、と思っていた。まさか、あれが。
 
「ケータイで撮った写真かな。あまり映りは良くなかったけれどすぐに判った。……僕の養子だからね」
「……長谷川さんは、オレを子供だと思ってるんですか。自分の子供だと」
「……そうだね。もう、子供には見えない」
 
 長谷川はすっと細めた目でハルの全身を舐めた。……華奢な身体つきも、長めの茶色い髪の毛も、白く小さな顔も長い睫毛に縁取られた大きな目も、赤い唇も ───。
 ひどく色っぽく、長谷川の目には映った。
 
 長谷川の視線をうっとうしく思い、振り払うようにハルは頭を横に振る。
 アイスコーヒーのグラスに手を伸ばし、緊張から乾いた喉を潤した。そろそろ、ちゃんと話さなければならない。
 
「取り引きを、 ─── しに来ました」
「取り引き?」
「はい。─── オレと柚月さんに関わらないでくれたら、あなたがオレにしたことを一生黙っています。養子離縁をして、オレを他人にして下さい」
 
 言えた。声も震えなかった。
 ハルはTシャツの上から胸に手を当て、自分の素肌に触れているドッグタグを握り締めた。
 
 
  

     

     目次第五話
 

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