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2010年1月

遅くなってすいませんo(_ _)oペコッ

 …広告ブログ?(スパムブログ?)に「きみの2」第一話が丸々無断転載されているのを発見してしまいました……( Д) ゚ ゚

 アフィリエイト収入にはそんな貢献出来ないと思うんだけどな……(´・ω・`)ショボーン 

 一応「無断転載・転用禁止」とトップページでウタってあるんですが、まさかほんとに転載されるなんてΣ(゚д゚;)思いも寄りませんでした。(´Д⊂グスン

 これから何か善後策を考えます……(;ω;)しかしどうしたらil||li _| ̄|○ il||li

  

 気を取り直して、「息も……」の拍手コメレスです♪↓遅くなってすいませんo(_ _)oペコッ

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きみの2:第九話更新

第九話、更新しました~

臣×ナオの甘々痴話ゲンカ(笑)「息も出来ないくらい」に浮気していて遅れました(;´д`)トホホ…

でも楽しかったな、「息も…」書くの(*^-^) 行き当たりばったりのライブっぽいカンジヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ またなんか、切な甘い話が書きたいです。

 

 「息も…」の拍手コメレスです↓

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きみの手を引いて2:第九話

 

 重くてたまらない身体を引きずるようにして、ハルはベッドを降りた。身体中が軋んで痛む。
 一歩踏み出すごとに増す鈍痛と引き攣れる痛みに足元がふらつく。
「……った、……」
 
 声が掠れる。悲鳴と泣き声を上げ過ぎて喉が嗄れていた。
(……あー、……もう、……ヤダなあ……)
 手すりにしがみつくようにしてやっとの思いで階下に降りる。10時を回っていて長谷川は出勤していた。誰もいない家の中、浴室に向かい、冷たく震える指先でパジャマのボタンを外した。
 
 頭からシャワーを浴びる。温かい湯に包まれるとほんの少しだけ身体が楽になった気がした。
 
 
『……柚月さんに……』
『……オレがここにいれば柚月さんになにもしない……?』
 
 昨日の夜。
 ダイニングでの会話のない夕食の後、風呂に入るように促されたハルは言われるままに従い、─── 遅くに部屋へやってきた長谷川と対峙した。
 たどたどしく、懇願するように訊ねるハルに長谷川はふっと笑みを浮かべた。
 
『……そうだね。君がこの家から出ない、彼とは会わないと約束するなら何もしない』
『本当に……?』
『ああ』
  
 ハルはこくり、と頷いて恭順の態度を示す。近づいてきた長谷川を一度見上げて、目を伏せた。
 
 それから先はほとんど覚えていない。我慢しようとしても柚月ではない手に身体が拒否反応を起こして暴れてしまう。心をコントロール出来ずに勝手に口から拒む言葉と悲鳴がこぼれた。
『……イヤ……やだあっ……やめて……』
『……柚月さん……柚月さん……っ』
 
 
 自分のみっともない悲鳴と泣き声が蘇り、シャワーに打たれたまま頭を振った。
(……べっつに、どうってことないけどねー……ゴーカンされるくらい、全然平気、前だってウリやってたんだし)
 無意識に、辛い出来事から心を守る為の防衛本能を働かせたハルは、「なんでもない」と自分に言い聞かせる。

 そうしながらのろのろと頭を上げた。
 目の前の鏡に自分の姿が映る。
 
 血の気の失せた小さな顔。生気のない大きな瞳の下はクマで黒ずんでいる。手首の赤く擦れた痕、痩せた白い身体に散る鬱血痕 ─── きつく吸われた痕や歯型、押さえつけられた腕と肩と……。
(……ひでーな、コレ……さすがのオレもどん引き……)
 
 一年前は優しく扱ってくれた長谷川だったが、昨日の夜はひとが変わったように手荒くハルを組み敷いた。自分を受け入れず家出をし、他の男に心と身体を許したハルに対する怒りなのか、ハルを手に入れた柚月への嫉妬なのか、自分のものだとハルに思い知らせ、出て行かせないようにする為なのか ─── 。
 
 背けた顎を痛みが走るほど強く押さえつけられ、口付けを強要された。身体を這いまわる手と唇に耐えられずに押し退けようとするハルの腕を、肩を、長谷川はベッドに縫い止め、パイプに繋げたままだった手錠で細い手首を拘束して抵抗を封じる。悲鳴交じりの涙声で柚月の名を呼びながら力なく抗おうとするハルを許さず、いくつも吸い痕と噛み痕を付けて、その身体を何度も貫いた。
 
(……今夜もご所望だったら、オレ、ヤリ殺されんじゃねーかなあ……腹上死、じゃなくて腹下死……とか、ヤな死に方……)
 でも、柚月を守れる。
(……だから、まあいいか……柚月さんが……)

 柚月が無事なら。嫌な目に合わせずに済むなら。
(……柚月さんに嫌われるってあのひとはオレを脅したけど)
(でも、オレ、……もう柚月さんに嫌われてもいいや)
 
 柚月や周りの人たちに危害を加えられることの方が、もっとずっと怖い。
(オレが柚月さんを守る)
 オレが、ここにいれば、あのひとは柚月さんに何もしないでくれる。
 
(……だから平気。少しくらい、イヤでも)
(……今度は大人しくしないと。き……昨日は、我慢出来なかったけど、次は大人しくして、機嫌とって、……柚月さんになにもしないでって) 
 
(柚月さん、もう、ガッコ行ったかな……?)
『優秀な研究生だそうだね。友達も多くて』
(……笑って、くれてるといいな……)
 柚月がほんの一瞬でも、自分のことを好きだと思って、そう言ってくれただけで、ここにいられる。
 その想い出だけで。

 身体の至るところに無残な情交の痕をつけた自分が、鏡の中で柔らかく微笑んだ。

 

 
 
 
 
 浴室から出たハルは着替えのTシャツに袖を通して辛そうな息を吐くと、リビングのキャビネットの引き出しを開けてざっと見て回る。
 長谷川に奪われたドッグタグを捜していた。キッチンの食器棚も検めたが見当たらない。
 
 長谷川が隠すとしたらどこだろう。隠すというよりも……。
 直感に従って燃えないゴミの袋を開けると、中からチェーンの切れたドッグタグが出てきた。 
(あった)
 ハルはほっとして捨てられそうだったそれをそっと洗って綺麗にする。
 
 ゆっくりと階段を昇って自分の部屋へ行き、ベッドに横になった。手の中のアクセサリーをじっと見つめる。
 プレートに浮き出ているクロス模様を親指で撫でて、目を閉じた。
 
 闇に飲み込まれそうになりながら、連絡を取らなければならない人のことを考える。 
(……環さん)
 今日の無断欠勤を謝って、アルバイトを辞めることを伝えなければ。

 判ってはいたが、身体を起こすことが出来ない。柚月との関係を知りながら非難もせず見守ってくれた環に理由を訊ねられたら、 ─── 上手くはぐらかす自信がない。
 
 環のことを考えると、必然のように柚月の顔が思い浮かんでしまう。
「ゆ…づき……さ……」
 言葉にするつもりのない声が自然に口からこぼれる。心の中で何度も彼の名を呼んだ。

 その顔を。声を。仕草を。─── 柚月の全てを思い出し、心が引き寄せられていく。
 
 自分を見惚れさせるあの笑み。抱き寄せてくれる力強い腕。欲しいと訴えかけてくる瞳。
 その手が、指が、唇が、囁く声が、自分をおかしくさせて追い詰める。いつもは優しい柚月が欲情に目を霞ませるほど自分を欲しがってくれているのが嬉しくて、けれどあられもない姿を見られるのが恥ずかしくて、「いや」と口にしてしまう。そんな自分を柚月は宥めて、安心させて、時には強引に、何度も絶頂へと導いた。
 
 他愛ない会話を交わし、大きな心地良い手で頭を撫でられて「ガキ扱いすんなっ」と憤慨する自分にに向けられる笑顔。風呂上りの自分に「触りたくなるからあんまり近づくな」と目を逸らしてぼそぼそと言う困ったようなその表情。

(「ハル、……ミハル」)
(「……愛している」)
 言ってくれたのはいつだったろう。そんな言葉を簡単に口にする柚月ではない。だからハルはひどく驚き、顔を真っ赤にして目を伏せた。同じ言葉を返せなかった。
 
 ─── そんな柚月も、いずれ自分を忘れるだろう。長谷川の言うとおり、柚月は周りから信頼され、必要とされている。自分よりも柚月に相応しい人間はそれこそ星の数ほどいる。自分がいなければ、いつかその内のひとりを選んで ─── せめて、あやだったらいい、と思うのは生意気だろうか ─── 幸せになれる。
 
 とろとろとしたまどろみと覚醒をハルは何度も繰り返す。柚月の思い出と自分の考えが混ぜこぜになり、起きているのに夢を見ているような気がした。
 何かの拍子でふっと目覚めると、すでに午後の三時を回っていた。

 握りこんでいた手の平を開く。夢の続きのように、現れたドッグタグをぼんやりと見つめた。
(……チェーン切れちゃったな……直んないかな、これ……)
(これもらった時、柚月さんに、……ありがとうって言えなかった……)
 
 あんまり嬉しくて、嬉し過ぎて、泣きそうで言えなかった。
(言っとけば良かったな……ありがとうって、大好きって、もっと、たくさん、言えば良かった)
(聞いてもらえるうちに何度も言えば良かった)
(柚月さんに……今、言ったら、遅すぎるって笑われるかな……?)
 
 でも、声を聞くだけなら ───。
 その考えはハルをはっきりと覚醒させた。矢も盾もたまらず、身体の痛みに耐えながら起き上がり、やっと机の引き出しを開けて携帯電話を取り出した。
 慎重な手付きで電源を入れる。
 
 もう柚月に助けを求めようとは思わなかった。そうするには、それこそ、遅すぎる。
 けれど ───。
(や、……やっぱり、やめよう)
 声を聞いたら、柚月を守るという決心が、きっと、揺らいでしまう。

(……会いたい、……帰りたいって、きっと言ってしまう)
 泣きながら。もう帰れないのに。
 会えば、長谷川が柚月に何をするか判らない。それに ─── 乱暴されたことを知られてしまう。─── 柚月に何もしない、という約束で頷いたことを。
 
 ……逡巡した後、ハルはアドレスからひとつの名前を探し出して発信ボタンを押した。
『……ハル?』
 珍しいじゃない、と明るく柔らかな女性の声が言う。あやだった。以前公園で話した時、番号を交換していた。
 
『どうしたの?』
「……今、いいですか?」
『いいけど……なんか声おかしいわよ』
 風邪引いちゃって、とハルは苦笑してみせる。
 
「……柚月さんに、伝えて欲しいことが、あって」
『あら。ノロケ? 直接、伝えたらよろしいじゃございませんこと?』
 ラブラブのくせに、と冷やかされる。
 
 ハルはそれに応えられず、寂しい笑みを浮かべた。左手のアクセサリーをぎゅっと握りこむ。黙り込んでしまったハルを訝しく思ったのか、あやの声が心配そうに訊いた。
『……どうしたのよ。風邪で熱でもあるの?』
「いえ、……大丈夫です。……柚月さんに、……誕生日プレゼント……ドッグタグ、嬉しかったって……ありがとうって、伝えて、もらえますか……?」
 
『え……?』
「オレ……もう、会えない、から……」
『ハル? 何言ってんの? ちょっと、ねえ、今どこなの、』
 
 ぷつりとあやの声を断ち切る。そのまま電源を落とした携帯電話を覚束ない手付きで引き出しに戻した。─── 柚月に、伝えてくれるだろうか。
 柚月の通う大学院と同じ敷地の大学の学生である彼女なら、直接会うこともあるだろうし、連絡も取りやすいだろう。
 
(……それにあやさんなら)
 柚月に、似合いの彼女だ。自分といるよりも、ずっと柚月は幸せになれる。
 
(……ちゃんと、柚月さんに、さよならって……長谷川さんのところに、帰るって、言ってくれば良かったな……。迷惑かけてごめん、って……でも……)
(オレ、ここにいれば、……柚月さん、嫌な思いしなくて済むから……)

(「あいしている」)
 
 長谷川が帰って来るまで、あと二時間。
 ベッドに横になったハルの指先で切れたチェーンが微かに揺れる。
  
 

       

      目次第十話
 

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臣×ナオ…┐(´д`)┌

 臣×ナオで「甘々痴話ゲンカ(笑)」を書きたくなったので書いてみました……。

 朝、廊下、ケンカの理由がくだらない、お前だけだって誓ってんのどっちだ等、突っ込みどころ満載でお贈りしておりますが、どうぞ寛大な気持ちで読んで頂きたく……

 本編うっちゃって丸々一週間、こればっかり書くってどうなんだ、私。どうしたいんだ、一体(@Д@;

 しかしもうそんな繰り言は考え飽きました。書きたくなったから書いたのです……へへ……ヾ(´ε`*)ゝ

 そんなわけの「息も出来ないくらい」、読んで頂けたら嬉しいです。

 

息も出来ないくらい

 

 R-18BL小説です。18歳未満の方、BLに嫌悪感を持たれる方はご遠慮下さい

 

 
「……おい!ナオ!ここ開けろ!」
「やだっ、臣さんなんか大嫌い!」
「だッ……!?」
「もう知らない!あっち行ってよっ!」
  
 和臣とナオがふたりで暮らす瀟洒なマンション。閉て切られたゲストルームのドアを前にして、和臣はそのドアレバーを上下にガチャガチャと鳴らす。鍵がかけられていて開かない。
 部屋の中に閉じこもったナオがドア越しに怒鳴った。
 
「今日から僕、ここで寝るからね!臣さんひとりで寝れば!?」
「な、……ナオ!ちょっと出て来い!」
「やだ!」
 更に和臣はドアを拳で叩く。ナオはその音と、和臣の自分の名を呼ぶ声を耳にしながらベッドに潜りこんだ。
  
 ─── 発端は夜、寝る前に来たレイからのメールだった。開封しようとしたところ、ナオの後ろから覗き込んでいた和臣に携帯電話を取り上げられ、消去されてしまったのだ。当然ナオは怒った。

『なにするんだよっまだ読んでないのに!』
『くだらねーメールだ。ついでにメアドも消しといてやる』
『やめてよ!信じらんない、返してよ!』
 
 和臣の手から携帯電話を奪いとると、ナオはゲストルームに閉じこもってしまった。
 これまでも軽い口ゲンカなら何度かあった。けれどそう大した揉め事にならずに済んでいて、それは要するにふたりともが互いのことを想っていたから、なし崩しに終わったのだった。
 
 そのことはナオもよく判っていて、和臣が自分を想ってくれる気持ちがたまらなく嬉しい。自分の中の和臣を想う心もどんどん大きくなっていて、だからこそ、レイと仲良くしていても「何もない」と言い切ることが出来るのに。
(……臣さんのバカ。メールくらい、なんだよ……)
 
「ナオ!開けろ!」
「……知らない!臣さんと口も利きたくない!あっち行って!」
 毛布から頭だけ出すと、ナオは涙の滲んだ目でドアを睨みつけた。

 そのドアを叩く音も止んだ静寂の中、和臣の声が低く響く。
「……そうか。判った。今日からそこで寝るんだな?」
「………」
「大嫌いな俺と口も利かないし、一緒のベッドにも寝ない。……俺が誰か他のヤツ連れ込んで、寝ても構わないな?」
 
 和臣の言葉に、びく、とナオの肩が揺れる。─── そんなこと、想像するだけで心が焼き切れそうになる。
 それでもナオは「いや」という声を上げまい、と強情に唇を引き結んだ。
 
「……いいんだな?よく判った、」
 和臣の気配が遠ざかる。追いすがりたい気持ちを抑えて、ナオはじっとドアを見つめた。
(わ、……ワルいの、臣さんだもん。……僕、臣さんだけって……こないだだって、何度も言って……言わされて……なのに……)
 
(……メール消すなんて、あんまりだよ。僕、絶対、謝らないからね)
 レイにメールが消されてしまったことを詫びて、もう一度その内容を教えてもらわなければ。そう考えながらナオは、携帯電話のフラップの開けたり閉じたりを繰り返した。

 とてもレイに連絡が取れるような心境ではない。こうしている間にも和臣が誰か、好みの子に電話をして家に来るように誘っているかもしれない。
(ヘソ曲げた居候がいるけど気にするな、って)
(……臣さんに誘われたら、誰だって断らない)

 誰かの肩を抱いて優しく微笑む和臣が脳裏に浮かぶ。自分ではないその子にも和臣は甘い言葉を囁き、情熱的な仕草を見せるのだろうか。
 じわり、と滲んだ涙を手の甲でごしごしと拭う。

(……いいもん。お……っ臣さん、が、他のひとと、寝てもっ……邪魔だから出てけって、言われても、……僕、臣さんのこと、す……っ好き、だから、)
 胸が詰まったように苦しく、拭ったはずの涙で枕がぼやける。そんなみっともない自分が嫌で、ナオは携帯電話を枕元に放り出すと頭から毛布を被った。

 
 
 
 
 
 ……ガタン、とドアの外側から聞こえた音でナオは目を覚ました。いつの間にか眠ってしまったらしい。ベッドの枕元に放った携帯電話を引き寄せて、開かない目で時間を確かめる。

 夜中 ─── 朝の4時だった。さすがに夜型の和臣も昼間の仕事を持っている以上、眠っているはずの時間だ。 ドアの外で物音がするのはおかしい。 
 
(……まさか、ほんとにダレか、呼んで)
 臣さんが、キレイな子と何かしてたら、どうしよう ───?

 和臣と顔の見えない相手とのそれを具体的に思い描いてしまい、ナオは青ざめた。─── 独占欲や嫉妬がこんなに辛くて苦しいものだと知らなかった。和臣に「誰か呼んで寝ても構わないな?」と告げられてからずっと、泣きたくて仕方がない。

(……やだ。他のコとなんかしたりしたら、いやだよう……)
(臣さん、……)
 ベッドを降りたナオは目を擦りながらふらふらとドアに近付き、鍵をそっと外した。恐る恐る、ゆっくりとドアを開ける。

「……?」
 何かに引っかかって、途中までしか開かない。その隙間から毛布のようなものが見える。
 ナオは身体を斜めにして廊下に出た。
 
「……臣さん」
 そこに和臣がいた。身体に毛布を巻き付けて、頭にはいつもの枕を宛がって、寝息を立てている。
 和臣は、ナオの閉じこもった部屋のドアの前に毛布と枕を持ってきて眠っていた。

 その事実に呆然としたナオは、泣きたいほどだった気持ちも忘れてしゃがみこみ、和臣の端正な顔を見つめた。
(……誰かと寝るって言ってたのに。僕なんか知らない、みたいな言い方だったのに、)
(こんな、直にフローリングの床でなんか、きっと臣さんは寝たことない)

 家柄も育ちもいい成沢家のご子息が、廊下に毛布一枚でごろ寝などありえない。けれど、そうさせたのは自分なのだ、とナオはうろたえ、赤面して、和臣を起こしにかかる。レイからのメールを消された憤りなどすっかり忘れていた。
「……臣さん。起きて。こんなとこで寝たら、カゼ引いちゃうよ。身体も痛くなるよ、」

 肩に手をかけて揺すると、和臣の立てた片膝が動いてドアにぶつかる。さっきのガタンという物音はこれだったらしい。
 合点はいったものの、和臣は起きる気配を見せない。困り果て、逡巡した後、ナオは一度ゲストルームに戻ると毛布を抱えて和臣の隣に横になった。

 ふわりと和臣の匂いが香る。めまいがするほど心地良い香りに、ナオは毛布を絡ませた身体を寄せた。眠ったままの和臣の長く逞しい腕が降ってきて、毛布ごとナオを抱き寄せる。
 温かく、幸せな気持ちに満たされて、ナオは和臣の頬にそっとキスをした。
 
「……臣さん、だいすき……」

 

 
 
 
     .。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

 

 
 
 
 
(……大嫌い、だと?)
(こうなりゃ思い知らせてやる。お前が嫌ったところで、離してやる気は髪の毛一筋たりともないほどこっちはお前に惚れてるってことを)
 和臣はイライラと考えながら、ベッドルームに行き、毛布と枕を抱えてナオの閉じこもった部屋の前に戻った。
 
(持久戦だ。出てきたところをふんづかまえてひん剥いて、めちゃくちゃに犯して泣かせて俺だけだと誓わせてやる)
 穏やかでないことを堂々と思い巡らせながら、そうも出来ないことを和臣は実際のところ、よく判っていた。
 
 なぜなら、そんなことをすればナオの気持ちが離れて、先程の口から思わず出てしまったような「大嫌い」ではなく、本当に本物の「大嫌い」になってしまうからだ。
 それを避け、ナオの気持ちを繋ぎとめる方法はただひとつ。
 
 ちッと和臣は軽く舌打ちした。毛布を被って、フローリングの床にごろりと寝転がる。
(……なんて言って謝まればいい?……)
 済まなかった?悪かった?ごめん?許してください?もうしません?いっそ許しを乞いながら土下座でもしたら派手な勢いがあっていいかもしれない。
 
「くそ……」
 骨抜きだ、と認めざるを得ない。一回りも年下の、二十歳になるやならずのガキにこうまで下手に出ても、嫌われたくないとは。
 
 当然、誰かを連れ込む、などという真似が出来るわけもなく、「大嫌い、口も利きたくない、あっち行って」というナオの売り言葉に煽られて言ってみただけの買い言葉だった。あわよくば、ナオが飛び出してきて「そんなのダメ!」とすがりついてくれるかもしれない、という打算も働いていたことは否めない。
 
 しかしナオは部屋から出て来ず、和臣の苛立ちと焦燥はますます募るばかりに終わった。もしかしたら、今頃、レイに「臣さんと別れたい」というメールでもしているかもしれない。
(レイの奴、……あのメール)
 
 ケンカの発端となったレイからのメールを思い浮かべる。
『うまいランチバイキング見つけたんです。明日、昼メシ一緒しませんか?』
 ランチ?お前はOLか?女子大生か?ママ友か?二人きりでそんなデート紛いのこと許すわけないだろう、消去。……
 
 結果それが、今こうして和臣を硬いフローリングの廊下で寝せることに繋がった。やはりメールを勝手に見た挙句、消すのはまずかったか、とさすがの和臣も気が差してくる。
「………」

 それでも、やはり自分のしたことは正当だった、と和臣はすぐに開き直った。
 相手は「ナオをゴチになる」と宣言して憚らない、可愛い弟ヅラしたオオカミなのだ。なぜオオカミとヒツジが一緒に仲良く昼メシを食わなきゃならないんだ。「あらしのよるに」じゃあるまいし。いやあれはヤギだったか……。

 そんなことはどうだっていい、と和臣は表情を引き締める。レイの言動から言ってガブのような堪え性があるとは思えない。昼メシのデザートとしてナオが美味しく頂かれてしまう可能性は限りなく高いだろう。やっぱり自分のしたことは正しかったのだ、と和臣は目を据わらせた。
 
(メールを消したのは悪かった。だが、ナオとあのガキを二人きりで会わせるわけにはいかない)
 和臣はナオの閉じこもったゲストルームのドアを見上げる。なんの物音もしないが、ナオがレイと連絡を取っているのではないか、と勘繰ってしまい、気が気ではない。
 
(……もし、今の一件でナオの気持ちが離れてしまったら)
 畜生、なんで俺がこんな思いをしなきゃならないんだ、と和臣は心の中でぼやきつつ、眠りについた。

 

 
 
 
 柔らかな髪の毛が和臣の頬をくすぐる。ふっと目を覚ました和臣は、腕の中に毛布を巻きつけたナオがいるのを発見した。
 リビングとこの廊下を繋ぐドアに嵌まる擦りガラスからの朝日でぼんやりと明るい。そばかすの散るナオの白い頬を、和臣の手が無意識に壊れものを扱うように包み込んだ。

 ─── こうして、俺のそばにいるんだから、ナオは俺を想ってくれている。
 
 怒って部屋に閉じこもってしまった恋人の機嫌を取ろうと、その部屋の前の廊下で一夜を明かして目覚めたら、怒ったはずの恋人が一緒に廊下で眠っていた。
 そんな状況は和臣の気持ちを満足させ、さらに増長させるには充分過ぎるほどだった。
 
 ナオの身体を包んでいた毛布の下に手を潜り込ませる。シャツの上から胸に手を這わせ、小さな尖りを爪で軽く引っ掻いた。
「ん、……」

 ナオは正体を失くしたまま、びくん、と反応して微かな声を上げる。そのゆるく開いた唇を自分の唇で覆った和臣は、容易く舌を侵入させ、思うさま味わった。
 そうしながら手は弛むことなく侵攻を続けていて、服の上からとはいえ、あらぬ場所を弄られたナオの身体は熱を帯びていく。
 
「……あ……っん……んっ……」
 半覚醒らしいナオのあえかな声がますます和臣を挑発する。毛布を乱暴に剥ぎ取り、下着ごとズボンを引き下ろした。
 シャツ一枚になったナオの上に乗り、ボタンを外し始める。
 
「っん、やあ、臣さん、なに、」
 目を覚ましたナオの、意識のないうちに濡らされた唇が抗議の声を上げた。細い腕が和臣の身体を押しのけようと伸びてくる。
 
 それに構わず、和臣はシャツの間から現れた薄い胸に唇を這わせた。すでに勃ち上がっていたナオのものを和臣の大きな手が擦り上げる。
 冷えた廊下にナオの甘えるような声が響く。唇を徐々に下にずらして行き、立てた膝を開かせた和臣はその中心を口に含んだ。

「!や、……あっ、あん、んっ、あ、」
 ナオは頭を横に振って、和臣から逃れようと身体をずり上がらせる。その膝の裏に手をかけ、ナオの脚を持ち上げた和臣は露わになったすぼみにも舌を這わせた。
 悲鳴にも似た抑え切れない声がナオの唇から何度も漏れる。

 もっと聞きたくて、和臣は濡れたすぼみに指を侵入させた。
「あ……っあん、ぅ、…」
 力の抜けたナオの身体が一瞬強張る。ゆっくりと中を掻き混ぜて解しながら、ナオのものを口腔で蹂躙して、身体を開かせていく。

「あっ、あ、ダメ、やだ、和臣、イっちゃ……」
 その声に唇を離した和臣の目の前で、ナオは達してしまった。ぽたぽたと白い体液がナオの滑らかな腹の上に落ちる。そうさせて、恥ずかしがるナオの顔を堪能するのが目的だった和臣は、真っ赤になり、涙を浮かべたその表情をじっくりと味わった。
 
 ナオの中から引き抜いた指先に白い体液を擦りつけ、また中に潜り込ませる。すっかり身体を弛緩させたナオは抗わず、従順にそれを受け入れた。
「あ……っん……ん……っあ……あっ……あっ……」

 時折り緩み、また締めつける。増やした指でその感触とナオの泣くような声を楽しんでから、和臣は着ていたスウェットを脱ぎ捨てた。
 和臣が離れ、少しだけ正気を取り戻したらしいナオは、はだけたシャツの前を掻き合わせる。後ろへいざろうとする白い脚を捉え、和臣はその逞しい身体をのしかからせた。
  
「やーっ、やだっこんなとこで出来ないよっ!」
「めちゃくちゃエロい声上げてイったくせに」
「………!」
 
 サイテー、と書いてある真っ赤な顔と涙で潤んだ目を、和臣はにやにや笑いながら見下ろす。遠慮なくその細い足首を掴んで開かせた。
「やあ、待って、やだ、和臣っ……」
「待たない」

 余裕のある笑みとは裏腹な切羽詰まった声で和臣は短く答え、ナオの中に侵入していく。ちゃんと解したのに狭い。
 浅い呼吸を繰り返しながら意味の取れない声を上げるナオの唇を、自分の唇で塞いだ。
 
 抽挿を繰り返して中に全てを収めた和臣は、肩口から落ちかかっているシャツごとナオの身体をすくい上げるように抱きしめて囁く。
「愛してる。ナオ、……お前だけだ」
 
 力なく垂れていた腕が背中に回され、しがみついてくる。僕も、……というナオの甘くか細い声が和臣の耳に届いた。

 

 
                           end. 

 

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7万アクセスありがとうございますo(_ _)oペコッ

 たくさんのアクセスありがとうございます\(^o^)/

 基本、週一でカメのような更新にも拘らず、こんなにアクセスして頂けてとても嬉しいです。

 これからも面白いと思って頂けるような話を、そして自分でも納得出来る文章を目指して頑張りますので、よろしくお願いしますo(_ _)oペコッ

 

 拍手ありがとうございます。コメレスです。↓

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きみの2:第八話更新

 第八話、更新しました~(^-^; 正月ボケで筆が進まなくてビックリな八月です
                                          Σ( ̄ロ ̄lll)

 この辺は、旦那さんの実家に帰省した際にケータイで書いたのをPCで清書したんですが、どうなんでしょう、妙なテイストになってなければいいな、と思います……あ、大して変わらないか……?ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 モチベーションを上げるべく、きみの2のあらすじ兼タイムテーブルを作成したんですが、出来たら出来たで「これで最後まで書ける」って安心しちゃって、なおかつ、「今頃あらすじ…?」な残念感で自分にガッカリ(´-д-`) 安心と残念でモチベーション下がる下がる┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

 まあいいか、気を取り直して(早っΣ(゚д゚;))書きたいように書こう、タイムテーブルも出来たことだし( ̄ー ̄)ニヤリ 頑張ります。

 

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きみの手を引いて2:第八話

 

 
 ─── 朝になってもハルは帰って来なかった。
 
 柚月はのろのろとソファーから立ち上がった。ダイニングテーブルの上の冷えた食事には目もくれず、ロフトのカーテンをざっと引き開ける。
 
 中はきちんと整理されていた。これだけ見たならハルが出ていったと勘違いしてもおかしくない程、片付いている。
 しかし。

(……服が残っている)
 携帯用ゲーム機も。ソフトも。荷物が入れられる大きなスポーツバッグも。

 その代わり、ハルがいつも身に付けていた携帯電話やこの部屋の鍵、柚月がプレゼントしたドッグタグなどはない。
(ようするに)

 ハルはアルバイトの帰り、どこかへ立ち寄って帰ることが出来なくなった。─── ちゃんと帰って来るつもりだったのに、だ。

(成沢さんの家へ行った時は自分の私物、ほとんど何もかもをバッグに詰めて持っていった。ハルは、……ミハルは、覚悟を決めて、もう戻らないと考えたなら、必ずそうするはずだ)
 それら私物がある、ということは ───。
 今現在、ハルがここにいないのは、ハルの意思ではない、ということだ。

 部屋中を検分し、自分の考えに確信を得た柚月は一も二もなく部屋を飛び出し、ヴィンテージに向かった。
 ─── 以前とは違う、もう一つのこと。

 ハルの行き先は、はっきりと判っている。

「環さん! あいつ父親のこと、自分の家のこと何か言ってなかったか!?」
 朝の七時過ぎ、叩き起こされた環はそれでも文句一つ言わず、徹夜で血相を変えた柚月を店内に迎え入れる。
 柚月がハルを思う気持ちは、よく判っていた。

「それは、ハルくんが家に帰ったっていうこと?」
 カウンターに入った環は従兄弟と自分、二人分のコーヒーを淹れながら問い質す。
「お父さんと何か確執が?……面倒事と関係がある?」

「………」
 押し黙る柚月の前にコーヒーカップが差し出される。香り高く立ち上る湯気にささくれだった神経が和らぎ、柚月にほんの少しの安寧をもたらした。
 
「環さん、……俺、あいつを連れ戻すつもりだから、……だから、聞かなかった振りをしてくれないかな、……」
 ハルくんの為になるなら、と環は請け負った。

 穏やかな環の表情を目にして、柚月は低く話し出した。───

 

 

 

 

 柚月の話を聞き終えた環は少し目を伏せただけで、何も言わなかった。
 気詰まりな沈黙に、環が怒っているのかもしれないと感じた柚月は、機先を制して謝罪の言葉を口にした。
 
「……今まで黙ってて悪かったと思ってる。……ミハルを働かせて欲しいって言った時、環さんが何も訊かないで連れておいでって言ってくれて本当に嬉しかった」
「事情は話せないけど一緒に暮らしてる友達を働かせて欲しい、なんてそんな無茶を言うのが珍しいと思ったんだよ。……理詰めで考えがちなお前に説明の付かないことをさせるお友達って子に興味を持った」

 独白のように呟いて、環はコーヒーを飲み干した。
「連れてきたハルくんはいい子だし……働いてもらうのに支障はなかったよ。……さすがにそんな事情があるとは思わなかったけど」
「騙すつもりはなかったんだ。……家出していると知っていてあいつを雇えば環さんを巻き込むことになる。何も知らない方が迷惑がかからないと思って」

「結果から言えばそれは判断ミスだ。せめてもう少し事情を教えてくれていたら、しばらくハルくんを住み込みにするとか、……いや」
 年若い従兄弟を、その若いからこそ周りに迷惑をかけまいとする心遣いを、今になって責めるのは余りにも酷だと思い至り、環は口をつぐむ。
 一拍置いて、柚月に向き直った。

「……ハルくんは、その義理の父親のところに?」
 柚月は唇を噛んだ。
「─── 多分。ひとりで話をしに行ったんだと思う」
 
「……帰ったっていうことは?」
「それはない」
 自信を持って断言する柚月に環は面食らう。

 環の表情に気付いて、柚月は気恥ずかしそうに視線を逸らした。
「……ないんだよ。絶対に」
「理由を訊いても?」

 口の端に笑みを浮かべた環の揶揄混じりの問いかけに、柚月はぽつりと答える。
「……判るんだ」
 荷物を置いて行ったのはなおのこと、それ以上に ───。

「……あいつが自分の意思でうちを出ていくなんて考えられない」
 恋に心を奪われた人間の思い込みだ、と片付けるのは容易い柚月の言葉を、環は眩しく聞いた。
「……そう。お前がそう言うなら、間違いないだろう」

 胸の中に湧き出た、笑みを伴うふつふつとした温かい感情を抑えて、環はしかめ面しく言う。
 その雰囲気を察した柚月はカウンター越しに環に詰め寄った。

「環さん、俺は本気で」
「ああ判ってるよ。からかってやしない。……そんな風に誰かを好きになるなんて羨ましいと思っただけだよ」
 環の言葉を素直に受け取れず、柚月は面白くない顔をする。
 それに構わず、環は話を戻した。

「父親の家へ行ったハルくんが、自分の意思でなく帰って来れないんだとしたら事態は相当悪い」
 家出をした理由がそういうことなら尚更だ、と環は小さく付け加える。
 その言葉は柚月の胸の中の不安を的確に表していた。

 家出をし、自分から逃げたミハルをあの父親がどう考え、どう扱うか。
(ミハルが家を出たのは自分のせいだなんて全く考えていない)
 そんな次元の話ではない。あの男はミハルを所有物としてしか見ていない。

 そういう目でミハルを見ていた。

 青ざめた顔をひきつらせている柚月に環は訊ねた。
「……父親の家の住所、知らないんだな?」
「………」
「手掛かりになりそうなものは」
「……名刺が……」

 財布から取り出したそれを環に見せる。初めて長谷川に会った時に渡され、思わず握りしめてしまったせいで折れ線が付いていた。
 環はその小さな紙切れをしげしげと観察し、ため息を吐いた。

「……当然だけど自宅の住所は示されていない。職場に電話して教えてくれるとは思えない」
「……判ってる。だから、環さんが何か聞いてないかと思って」
「お前が知らないハルくんのことを僕が知ってるわけないだろう」

 いつも温厚な環もさすがに口調が辛くなる。なぜ早くに住所を聞き出さなかったのか、と暗に責める環の口振りは柚月の言い訳を誘った。
「……義理の父親の……家のことは訊きづらくて、……あいつに嫌なことを思い出させたくなかった……」
 判らないでもないけどね、と環は肩を落とす。
 
 そのまましばらく沈黙が続いた。環は黙ったまま、冷めてしまった柚月のコーヒーを淹れかえて、簡単なサンドイッチをカウンターに載せて差し出す。
「……諦めるわけじゃないんだろう?」

 元気付けるような低く穏やかな声に、柚月は顔を上げた。
「何か出来るはずだ。ハルくんのいた施設は? どこにあるとか、名称とかは聞いていない? ハルくんの友達は? 知り合いは? お前が知らないことも知っているかもしれない。最終手段だけど、父親の勤めている会社の前で待ち伏せするって手もある。幸い、その名刺で所在地は判ってるし」
  
 矢継ぎ早やに善後策を打ち出してくる環に、柚月はあっけに取られる。その表情を眺めながら環は続けた。
「まあ薦められないけどね。気付かれれば通報されて警察のお世話になる」
 
「……警察沙汰になるのなんて構わない。それであいつが自由になるなら」
「ハルくんを警察に保護してもらう? まともに取り合ってもらえるとは思えないな。家出少年が家に帰った、それだけのことだ。せめてハルくんから通報してくれないと。……でも、出来ることはまだたくさんあるはずだ」

 冷静な環の指摘に、追い詰められ、焦っていた柚月の気持ちは落ち着いてくる。─── すっかり余裕を失っていたことに気付いた。
 食べなさい、と環は静かに言った。
「何も食べてないんだろう。その上徹夜じゃ、ちゃんと物事が考えられなくなる」

「…………」
「少し仮眠を取りなさい。裏の休憩室のソファー貸すから。……それからでも、きっと間に合うはずだ。ハルくんを自由にしてあげたいなら、まずはお前が落ち着きなさい」

 環の言うとおりだった。状況は悪い、けれど今ここでパニックになっても何も解決しない。
(俺……精神的に参ってた……) 
 ハルの不在という現実は、容易く柚月の心を蝕んだ。ハルがいない世界はとても耐えられないと思い知る。
 
(……あの男もそうだったんだろうか)
 長谷川 ─── ハルの義理の父親も、こんな気持ちを味わったのだろうか。
(もしそうなら、二度とミハルを手放さない)
 
 もし自分が長谷川なら。
「要」
 その思考を諫めるような環の声に、柚月は我に返る。頭を横に振ってその考えを追い出し、サンドイッチに手を伸ばした。
 

 
 
 
      

     目次第九話
 

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 冬休みが終わってすぐの3連休、まだ正月気分が抜けません……。

 なかなかまとまって書く時間も取れず、二、三行書いては子供たちの話を聞き、五行書いてはお昼ごはんを拵え、という風です……もともとスロースターター(朝起きてから書き出すまでに時間がかかる┐(´-`)┌)で集中力に欠けてる上に、こんななので、遅筆にも磨きがかかるってもんです……ε-( ̄ヘ ̄)┌ (;ω;)

 そんなわけで、次の更新までもう少しお時間を頂きたいと思います。すいません……(´・ω・`)ショボーン

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あけましておめでとうございますo(_ _)oペコッ

 三日の夜遅く、Uターンラッシュに巻き込まれながら帰って来ました~_ノフ○ グッタリ

 なにかとよろよろな八月ですが、今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

 

 コメレスです↓

 

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