« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

2010年3月

拍手ありがとうございます。 o(_ _)oペコッ \(^o^)/

コメレスです↓

続きを読む "" »

以前、「非対応機種のケータイだから、花丸文庫(電子書籍)が読めない~(´Д⊂グスン)」とブログで泣きを入れたところ、雪ひろとさんからメールで「せめてその距離で」と同人誌を頂きました!

ありがとうございます!(≧∇≦) まるで無理やり略奪するようなやり口……駄々っ子か?

しかし略奪品、いえ、おたから……いや、頂いたプレゼントは大事にします!(v^ー゜)ヤッタネ!!

雪さんの小説を拝読すると、自分の文章の下手さ加減にかなりオチるんですが、ソレはソレ、萌えに「よし、明日も頑張ろう~」と元気づけられます。
繊細で丁寧で空気感がすごくいいんですよね~。こうなりたいものだ、と思います。(ムリムリ(^-^;)

 

続きは関東ローカルな話題です…。

続きを読む "" »

第十六話更新

 きみの2第十六話、更新しました。

 先週、同日に一周年記念&十万アクセス突破を記録したにも関わらず、記念SSどころか連載中の話さえ更新を滞らせた八月金魚です。すいませんでした……(´Д⊂グスン

 

 ところでどうやら、終わりが見えてきました。きみの2。全十九話になる予定。

 ……十九話って、中途半端……。どうにかしてあと一話、と思ったのですが、無理やりひねり出してもしょうがないので、コレでいきます。

 実は、一話、後日談で考えてる話があって、それ入れて(と言っても、別の括りになると思うのですが)二十話っぽくしたらいいんじゃないかな、と。モジモジ(。_。*)))

 でもほんとに後日談なので、書くのはだいぶ後。……後にしたいです。

 

 しかしもう春休みですね~。桜は咲くし(八月のとこはまだですが)、一年が早い早い。(←お年寄り┐(´-`)┌)こうなると、可愛いおばあちゃんになるのを目標に生きていくしかない ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

 書きたいこと書き尽くしたら煩悩も抜けて、そうなれるかも。((w´ω`w)) 頑張ろう~。

 

 

 

きみの手を引いて2:第十六話

 
 
 次の日の朝、柚月は環に連絡を入れた。 ─── ハルの体調が悪いと知ってずいぶんと心配した環は、店の開店時間を遅らせて見舞いに訪れた。しかし玄関から内へは上がろうとせず、柚月に焙煎したコーヒー豆を渡して、良くなったらまたバイトに来てくれるようにハルくんに伝えて欲しい、と穏やかに言う。

「ハルくんもだけど、お前も大丈夫か?」
 長谷川との揉め事を心配した環の言葉に、柚月は軽く笑って見せた。
「大丈夫、……間に入ってくれるひとがいるんだ」
 柚月から成沢の話を聞いた環は、そうか、頼りになる人がいるならいい、と安心したように言って、帰っていった。
 
 午後になり、やはり心配していたあやからは直接ハルの携帯電話に着信があった。再び発熱して眠っていたハルを起こしたくなかったのと、携帯電話の小窓に「あやさん」と表示されたのを目にして柚月が出た。

「昨日も言おうと思ったんだが、なんでミハルがお前のケータイ番号知ってるんだ。頻繁に連絡取り合ってるのか?」
『あら、ヤキモチー? 時々デートしてるだけよ』
 
「………」
『冗談よ。なによ、その深刻な間。そんな嫉妬深いとハルにマジ引かれるわよ。昨日かかってきたのが初めてだから安心しなさい』
「そうか、……」
 
『……要ちゃん、本っ当に、ストーカーにならないように気を付けた方がいいと思うわ……』
 心底ほっとしている柚月にあやは呆れたように忠告した。
 
 ハルがアパートに戻っていること、少し具合が悪いことをあやに伝えると、「そう。でも要ちゃんがそばにいるなら心配ないわね」と成沢のようなことを言ってさばさばと電話を切った。
 
 柚月には、みんなが優しいように思えた。
 環もあやも成沢もナオも、─── みんなが、心配しながらもハルと自分をそっとしておいてくれる。
(……なんて、優しいんだろう)
 
 自分の周りにこんなにも優しい世界が拡がり、繋がっているなんて想像もしていなかった。長谷川という支配欲で歪んだ人間が現れたことで、それが視えるようになったのは皮肉なことだったが ───。
(長谷川のような人間でさえも気にかける、成沢さんみたいなひともいる)

 三日後、その成沢から書類が送られてきた。養子離縁届と共に、もう一通、証人の欄に成沢の署名がある養子縁組届が同封されていた。
 柚月は慌ててそれを隠し、困り果て、成沢に電話を入れた。
  
「成沢さん、……俺は」
『ついでに送っただけだよ。今すぐって話じゃない』
 
「……もしこれを見たら、ミハルはきっと辛い思いをする。俺もあの男と一緒だって」
『それなら捨てればいい。あいつの目に触れないうちに』
 成沢との電話を終えて、柚月は深いため息をついた。

 成沢は情が深い。本人はそう言われるのを良しとしないだろうが、好ましくない長谷川のような人間でさえ気に掛け、身近なハルに対してはより一層親身になる。
 
 成沢の言うように、養子縁組届を出してハルときちんとした関係になりたい、と思わないこともない。ハルの身の上を慮る成沢に言われて初めて意識したことだったが、─── しかし、それでも、時期が早過ぎる。
 
(……俺が、そんなことを考えていると知ったら、ミハルはどう思うだろう)
 ハルはこの三日間、寝たり起きたりを繰り返していた。その時々は熱を出し、身体的な具合の悪さもさることながら、精神的なダメージも相当なものだと知れた。
 眠っている時にうなされることもあったので、柚月はその度にハルを抱きしめて宥めた。
 
(「柚月さん、柚月さん、柚月さん……っ」)
 飛び起きて、切なく自分の名を呼び、抱きついてくる細い身体に「大丈夫だ。そばにいるから」と囁き、抱き返す。そんな柚月の腕の中でハルは安心したように、寝息を立て始める。
 
 ハルを連れ戻したあの夜以来、性的な意味では触れていなかった。ハルの身体に負担をかけるわけにはいかなかったし、何より、─── ハルに、あの男と同じだ、と思われたくなかった。
(……絶対に、あの男と同じにはならない。ミハルを養子にはしない)
 
 考えながらコーヒーを淹れていると、寝室から目を擦りながらハルが出てきた。
「いい匂い、……」
「ああ、環さんから差し入れ。トラジャブレンド、……カフェオレにするか?」

 本調子でない身体を気遣う柚月の言葉に、ハルは頭を横に振った。
「せっかくいいヤツもらったのに、もったいないじゃん。……でも、砂糖だけ入れようかな」
 言いながら、キッチンに立つ柚月の手元を覗き込んで嬉しそうにふわふわと笑う。
 
 ふいにその顔を翳らせて柚月を見上げた。
「柚月さん、今日、ガッコ行った?……」
「………」
「行っていいって言ったろ、休んじゃダメだよ。高校行ってないオレが言うの、ヘンだけどさー、……行かなきゃダメだよ。オレ、もう大丈夫だし」
  
「明日は行くよ、」
「絶対だよ? オレが熱出しても行くんだかんね」
「……お前が熱出したら休む」
 
「ダメだよ! ゼッタイ、休まないで」
 きつく言うハルに、判った判った、と柚月は苦笑いした。
  
 この部屋にハルを連れてきた当時、彼の喫煙や飲酒を咎めたのが遠い昔のことのように思える。いや、元からハルは、素行はともかく学校には行きたがっていて、そこを長谷川に漬け込まれたのだ、と思い直した。
 
(……養子なんて後回しだ。ミハルのいいように、してやらないと)
 ドリッパーの中のきめ細やかな泡立ちを覗き込みながら柔らかく笑うハルを眺めて、柚月は愛おしさに目を細める。
 長谷川との養子離縁のことを静かに切り出すと、ハルは頷いてサインに同意した。───

 

 
 
 


 日々は穏やかに過ぎた。
 五日目には発熱することもなくなったハルは、起き出し、少しずつ家事を手伝い始めた。本当ならすぐにでもバイトを始めたかったが、身体が弱っていることもあってしばらく様子を見ることにした。
 
「…………」
 夜、風呂上りに洗面所で自分の上半身を映したハルはため息を吐いた。この数日ですっかり痩せてしまった身体は青白く頼りない。もうすぐ夏だというのに、その強烈な日差しが乗り越えられるとは思えない、情けない身体を検分する。
 
 長谷川につけられた唇と歯の痕はだいぶ薄くなってきていた。治りかけて黄色くなっている部分は多少目立ちはしたものの、当初の赤黒い、無残な傷痕としか呼べない痣よりはずっと目に優しい。
 手酷く傷つけられた場所の痛みも引き、治りつつあった。
 
 アパートに戻ってきたあの夜を最後に柚月と触れ合っていなかった。自分が熱を出して弱っていたせいだし、また柚月に長谷川がつけた痕を見られると思うと、とてもそんな気にはなれなかった。
 それに、性的に触れ合うことがなくても柚月は優しく、夢に混乱した自分を抱きしめてくれる。
 
 その度に柚月の腕の中で安心しながら、ハルは次第に、柚月にもっと触れたいと思うようになっていた。
 
(柚月さんにつけられたしるしなら、ダレに見られてもいいし、一生消えなくてもいいのにな)
 そんな甘ったるいことを考えてしまい、鏡の中の赤面した自分に向かって、バカみたいだ、と胸の内で呟く。この季節には少し暑い、長袖のTシャツに手を通してリビングに向かった。
 
 
 ─── 先にベッドに入っていた柚月に続いてハルはその隣に横になった。
 柚月の体温や気配を身近に感じて、どうしようもなく意識してしてしまう。─── 手を伸ばせば、すぐに柚月に触れることが出来る。
 
 仰向けで目を閉じている柚月の横顔をじっと見つめた。線の細い顔立ちだったのが、急に逞しく、引き締まってきたようにハルには思える。長い睫毛や高い鼻梁はそのまま、唇は薄くて、……。
 その唇に何度も慰められ、宥められたことを思い出して、ハルはうろたえた。

 余りにも鮮明な記憶は、自分がどんな声で、どんな姿態で乱れたのかまで思い出させて、居たたまれなくさせる。
 落ち着きなく、何度も寝返りを繰り返した。

「……眠れないのか」
 タオルケットを被ってもぞもぞとしているハルに気づいて、柚月が声をかけてきた。
「あ、……あ、うん、……起こして、ごめん」

 暗闇の中、身体を起こした柚月の目が間近でハルを覗き込む。伸びてきた柚月の腕がハルの身体を包み込んだ。
 びく、とハルは身体を強張らせた。艶めいた記憶を反芻していたせいで、触れられることに緊張して身構えてしまう。

 わずか数センチの距離で柚月と目が合った。
「───」
 キスを、されると思った。……今、目を閉じた方がいいのか、いや、なんか誘ってるみたいだし、どうしよう、と動揺している内に、柚月が目を逸らした。

「……駄目だな」
 呟いて柚月はゆるゆるとハルを取り巻いていた腕を外した。
「……柚月さん……?」

「ちょっと、……頭冷やしてくる。すぐ戻ってくるから、……怖いことないんだぞ」
 優しい柚月の声。大きな手がそっとハルの頭を撫でて、離れていく。
 ベッドを下りた柚月の背中が、リビングに消えた。

「…………」
 もやもやとした気持ちの中、ハルは取り残された。
(……どうして)
 
 どうして、柚月は、何もしなかったのだろう。
(な、……なんかされたかった、ってワケじゃないけど)
 生来のひねくれた、素直になれない自分が顔を覗かせ、なけなしのプライドを守ろうとする。─── それでも。

(……駄目だな、って、……)
 柚月の言葉に冷や水をかけられたような心許なさを覚えた。
(どういうことだろう。アタマ冷やすって……さわ……触れない、ってこと?……)

 触りたくない、って ───。
(違う。そんなはずない、柚月さんは、オレの身体を気遣って)
(……もう、五日も経つのに?)

 五日前のあの夜だって、オレばっかりで、柚月さんは何もしなかった ……。
「………」
(……まだ、少し、痕が目立つせいだ。こ……こんな痕、見たくないから、だから)

(……痕が消えれば、きっと)
(きっと、柚月さんは)

 この部屋に帰って来てから今まで、一度も柚月が自分を求めないことにハルは不安を感じ始めていた。

  

 

       

     目次第十七話

 

   *投票していただけると励みになります。

     ←ネット小説ランキングの人気投票です。

   にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
   にほんブログ村  ←クリックすると投票になります。

    ←クリックすると投票になります。

十万アクセスありがとうございます(≧∇≦)

十万アクセス突破しました~、ありがとうございます!

それも昨日。一周年記念日に、ちょうど十万アクセス頂くなんてミラクル!( Д) ゚ ゚

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

……と、かなり嬉しい八月ですが、何もありません、記念SSみたいなものが……何も……。。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

すいません……申し訳ない気持ちでいっぱいです。(´・ω・`)ショボーン

なにがしかのお礼をしたいのに、せっかくの記念なのに~(´Д⊂グスン

感謝の気持ちだけでも!

本当に、ありがとうございます!!゜.+:。(*´v`*)゜.+:。

 

 

お詫び m(_ _)m

今週の更新は少し遅れます……すいません(;ω;)m(_ _)m

言い訳がましいですが、というか言い訳なんですが、意外に(いや思ったとおり(@Д@;)PTA役員の仕事が厄介で、執筆する時間が取れません。(´・ω・`)ショボーン

へへ、やっぱりね……。連合本部(余り詳しくは言えませんが)役員だからね……。

下っ端の使いっぱでイイってあれほど願ったのになんだってこんなことに。(;´д`)トホホ…

しかし子供を学校に預けている以上、PTAの仕事はしなくてはなりません。頑張ろう……。まだ三月だけど……。(来年度の役員なのでほんとは四月からのハズ……)

あ、更新ですが、なるべく早く……したいと思います。ちょっと判りません……。

これに呆れず、どうぞこれからもよろしくお願いします。o(_ _)oペコッ

続きを読む "お詫び m(_ _)m" »

第十五話更新

きみの2第十五話更新しました。

ニフティの無料メールサービスが終了するので、子供の名前の羅列で表沙汰に出来なかったメアドをがらりと変えました。

プロフィールから送信出来るので、何かありましたら、ご連絡下さい。m(_ _)m 前のメアドでも、転送設定してあるので大丈夫です。

……しかし、ニフティって有名どころなのに、そんなことあるんだなあ……いきなり無料メール終了って(9月で、だけど)Σ(゚д゚;)

たまたまニフティの無料メルサ使ってたから、ココログにしたけど、違うとこに引っ越したくなります……。(´・ω・`)ショボーン

 

以下、メモなひとりごと。

 

続きを読む "第十五話更新" »

きみの手を引いて2:第十五話

 
 
 腕の中で眠ってしまったハルのこめかみに、柚月はそっと唇を落とした。起こさぬようにゆっくりと身体を離す。今は下がっているものの、発熱していた細い身体をタオルケットでくるんだ。
 
 負担をかけてしまっただろうか、と柚月は気が咎めていた。─── 触れることを厭っていないとハルに判って欲しくて、した行為だった。最後の方は余りにもハルの姿態があえかで、自分の欲望を抑えるのに必死になった。

 どれほどハルが欲しくても、傷ついた身体に押し入るような真似は出来ない。
(……俺は、あの男と同じにはならない。なりたくない。……絶対に)
 辛い目に合わせるくらいなら、自分のものに出来なくていい。ただ、触れて気持ちよくさせたい。そう考えた柚月はハルの身体に泣かせるほどの快楽を施しながら、自分の欲情に蓋をした。
 
 独占欲や嫉妬がないかと言えば嘘になる。身体中に付けられた無残な痕を目にした時、思わずかッとなった。
 明らかに所有の証だった。長谷川はハルを支配し、独占したしるしとしてあの痕を付けたのだ。誰にも渡さない、という明確な意思を持って。
 
 こんなに頭に血が昇るものか、と自分に呆れながらも止められず、ハルを乱暴に組み敷いてしまった。怖かったのだろう、声も出せない程怯えて、涙を次々にこぼして。─── すぐに頭が冷えた。
(俺はミハルに辛い思いをさせない。─── あの男とは違う)

 それを証明したかった。ハルを所有したさにひどい痕を付けた奴と自分は違うのだ、と。
 そしてハルに快楽だけを与え ───。
(「そいつと僕のどこが違うんだ」)
 長谷川の言葉は柚月の心に暗い影を落とした。
 
(……成沢さんは全然違うと言ってくれたけど)
 今まで自分がハルに対してしていたことは、長谷川となんら変わらないのではないか ───?

 ハルの好意を逆手に取り、身体を貪ることしか考えていない、と ─── 辛い思いをさせてでも自分の欲望を満たしたいのだ、と、もし ─── もし、ハルにそう思われていたら。

 柚月は頭を横に振ると、すっかり寝入っているハルのそばを離れ、リビングに向かった。
 
 時刻は夜の十一時だった。まだ寝てはいないだろう、と成沢に電話をした。
「こんな遅くにすいません。今日はありがとうございました」
『……ハルの奴は、どう?』

「ええ、……熱は引きました。時間が経てば、元気になると思います」
『……そうだな、大抵のことは時が過ぎればどうにかなる。きみが付いててくれれば尚更だ。俺は全く心配してないよ』
 
「……買い被りです」
『またまた。……買い被り、とは逆だけどね、俺はハルの奴を見損なってた、と思ったよ』
「見損なう……?」

『長谷川に謝ったろう、あいつ。……俺ァてっきり、殴るか、罵倒するかだと思ったんだが、されたことがされたことだからね、別に止めねえ、って……そしたら、好きになれなくてごめんなさい、ときた。長谷川にとっちゃ、殴られるより、大嫌いだって言われるより、キツかったんじゃねえか』

 熱のせいで涅槃が近かったのかも知れんが菩薩みたいにひでえヤツだって見直したよ、という声に皮肉っぽく笑う成沢の顔が思い浮かんだ。
「……成沢さん」
『ん? どうした』

「……あの時、俺と、……あの男とは違うって言いましたよね……?」
『言ったよ。全然違うからね』
「俺は、……どこが違うのか、判らない……」

 思わず心情を吐露していた。ハルに対するみっともない、浅ましい思いを成沢に知られるのは不本意だったが言わずにはいられなかった。
「ミハルを……独占したいと思うし、……あなたと二度と会って欲しくない、と思うくらい、嫉妬深い、……これから先、俺は、ミハルを苦しめてしまうかもしれない……」

『きみはハルを苦しめたりはしないよ。……出来ない、かな』
「なぜ、……どうして、言い切れるんですか」

『人間の質が違うからさ。……ハルを苦しめるくらいなら、手を離す。どんなに離したくなくても、だ。それは無論、嫉妬も独占欲もあるだろう。けれど、あいつに他に本気で好きな奴が出来たら ─── まあ、ありえないけどね、仮にだよあくまで ─── きみは、心臓を切り裂かれるような痛みを抱えてでも、ハルの為に、手を離す。幸せになって欲しいと願って』
 
「……俺はそんな高尚な人間じゃ」
『一度、やってるじゃないか。俺の目の前で』
 確かに ───。
 ハルが幸せになるのなら、自分の気持ちなどどうなっても構わない、とあの時思った。
 
「でも、……俺は、」
『……長谷川に近いのはむしろ俺の方なんだ』
「え?」

『あんまり自分に似てて驚いたよ。支配したい、所有したい、全てを自分のものに、なんて、俺とそっくりだってね。同類嫌悪でムダに圧力かけた。ぞっとしないね、アレが俺のなれの果てか、ってね、……長谷川と俺は同じ種類の人間だけど、きみは違うよ。魂からして、違うんだ』

「成沢さんだって違う」
 柚月は強い口調で否定した。
「あなたは優しい、……情がある。ミハルを助けてくれた。あの男と話をつけて、ミハルを自由にしてくれた。……俺には出来ないことをあなたは易々とやってのけたんだ。……格好良くて、……悔しかった」

 最後を押し出すように告白した柚月に、成沢はやんわりと諭すように言う。
『力の使い方を知ってるってだけだよ。……俺みたいに力があって、それの使い方を、使いどころを知っていて躊躇しない奴ってのは、ある意味、長谷川より性質が悪いんだ。相手を好き放題追い詰めることが出来る、……俺は柚月くんが羨ましいよ』

「どこがですか。好きになった奴ひとり、助けられない俺のどこが、……助けられないどころか、ミハルは俺を信じてさえいなかったんだ」
 柚月は思わず声を荒げた。─── ハルが、柚月は自分よりも保身を取る、と思い、長谷川にしなだれかかったあの光景は柚月の脳裏に焼きついて離れない。呼吸も忘れるほど頭に血が昇り、あの男を殺してやる、と本気で思った。

「あなたならそんなことはないはずだ。自分を信じさせることは容易い、それくらい力がある。……ナオ君がミハルのような立場に置かれたら、間違いなく、彼はあなたを信じて頼るでしょう。決して長谷川に従ったりしない」
 
『……その仮定は無意味だ、……なんて言わないけどね。信じてもらえてるかどうか、俺だって怪しいもんだ。……力があるってのはいいことばかりじゃない。信じてるのは俺じゃなくて、俺の力かも知れないんだよ』

「同じことです。信じてもらえるなら」
『同じじゃない。全然別物だよ。めくらましの力なんて持ってるより、信じて欲しいってきみの気持ちの方が、ずっと信じてもらえる。……信じてもらえた時、力のせいじゃないかって、……怖がってるんじゃないかって、疑わなくて済む』

「……成沢さん」
 静かな声の内に、成沢なりの想いが滲む。
 察しながらも、唇を噛み、言いよどんだ柚月は少しの沈黙の後、言葉を押し出した。

「それでも俺は、ミハルを守って、信じさせるだけの力が欲しい。……あなたが、死ぬほど羨ましい」
『ままならねえな。そういうもんかも知れないけどな。……まあ、力の方は俺が貸してやるよ。きみがどうも出来ないことがあったら、言っておいで。今度はもうちょっと早くにな、……長谷川には監視を付けた。自殺でもされちゃ敵わないからな。一週間以内に適当な人間向かわせて手続きを済ませるよ』

「……成沢さん、……あなたはやっぱり優しい。あの男まで気にかけるんですか」
『やめてくれよ。ただ寝覚めが悪くなるのが嫌なだけだ。それこそ買い被りだよ。……それに長谷川はきみのアパートの近くまで来たことがあるんだろう。必要以上に脅しをかけて置いたから、まず心配ないと思うが、万が一ってこともあるからな。一応の用心だよ』
  
 ぶっきらぼうな口調に成沢の含羞が見え隠れする。ナオに向けた成沢のしかめ面を思い出して、柚月は笑みを浮かべた。
「……成沢さんより俺がいいなんて、ミハルはどうかしている」
『遠回しな惚気だね。……そのどうかしてるミハルちゃんを、きみの養子にするってのはどう』

 柚月は驚いて言葉を失った。考えたこともなかった。
『長谷川と切れれば、あいつは身寄りのない十七歳のガキだ。天涯孤独で、きみの気持ちだけが頼りでそれにすがって、きみに嫌われやしないかっていつも不安で、……あいつはきみを信じて頼りたがってるよ。けどそれ以上にきみに嫌われるのが怖いんだ』

 紙切れ一枚、でもきみと同じ苗字になったらあいつも安心するだろう、と成沢は続けた。
『ハルを柚月 瞠にするのはいやか?』
「……無理です。嫌なわけじゃない、……でも、それじゃ、あの男と一緒になってしまう……」
 
『一緒じゃないよ。何度も言ってるだろう、きみと長谷川は全然違うって。ひとつも似たところなんかない』
 たとえ、成沢がなんと言ってくれても、と柚月は思う。─── ミハルに、嫌なことを思い出させるわけにはいかない。
「……養子になれ、なんて、ミハルには言えません。……あの男と同じだ、とミハルは、きっと」
 
『きみと長谷川が全くの別ものだと、一番良く判ってるのはあいつだと思うけどね』
 肩を竦める成沢の仕草が目に浮かぶ。
 書類がいくからハルの奴にそれにサインさせて送り返して、という成沢の言葉を上の空で聞いて、通話を終えた。
 
(……ミハルを、……柚月、に)
(……無理だ……そんなこと、言えるわけがない。義理の父親にあんなひどい目に合わされたあいつに、そんなこと)
(あの男と同じになりたくない。……ミハルに、同じだと思われたくない)

 静かな、ひとりだけのリビングを見渡し、ハルのいる寝室のドアに目を留める。携帯電話をダイニングテーブルに置いた柚月は、額に手をやってかぶりを振った。

 

        

      目次第十六話

 

   *投票していただけると励みになります。

     ←ネット小説ランキングの人気投票です。

   にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
   にほんブログ村  ←クリックすると投票になります。

    ←クリックすると投票になります。

拍手ありがとうございます♪コメレスです↓

続きを読む "" »

きみの2第十四話更新

きみの2第十四話更新しました。

十三話の更新日記に「次話は18禁になります」と声高(?)に書くのを忘れてしまいました。モジモジ(。_。*)))

苦手な方には大変申し訳ないです……(´・ω・`)ショボーン すいません……。

なんかえっちなシーンを書いても大してエロくないせいか、十四話が18禁だってすっかり忘れてました。そうか、フィジカルなコミュニケーションを図るシーンだった。Σ( ゜Д゜)ハッ!

そんなにエロ書かないくせに18禁に対してユルい……。(;´д`)トホホ…

 

きみの手を引いて2:第十四話

 

 R-18BL小説です。18歳未満の方、BLに嫌悪感を持たれる方はご遠慮下さい

 
  
 次にハルが目を覚ましたのは、柚月の部屋のベッドの上だった。
「………」
 見慣れた天井は暗かった。夜なのは判ったが、時間の感覚が欠けていて、数時間しか経っていないのか、次の日の夜なのか、それとももっとずっと後なのか、よく判らない。

(オレ、……どうしたんだっけ……?)
 最後に覚えているのは、柚月の温かい感触だった。自分をきつく抱きしめる、逞しい腕。呼び止められて振り返って……和臣と長谷川が何か話している。
(そうだ、成沢さんもいた……車乗って……ナオもいたような……)
 
 記憶が前後しながらも徐々に戻ってくる。
『オレも一緒に帰る、迷惑でも、帰りたい、なんでもする』
 突然、自分の発した言葉が耳に蘇った。動揺して、いても立ってもいられない気持ちになる。

 どさくさに紛れてとんでもないことを言ってしまった。柚月に抱きついて、しがみついて、─── 柚月は抱き返してくれたけれど……。
(熱があったせいだ。……め……迷惑なんて、かけたら……なんでもするって……何も出来ないのに)
 
 おおごとになって柚月に迷惑をかけたくなくて、自分でケリを付けるつもりで長谷川の家に行った。もう子供でない、自分の意志を持ったひとりの人間なのだと落ち着いて話せば、諦めてくれると思っていた。自分と縁を切り、忘れてくれると───……。
(……甘かった)
 
 長谷川があんなに自分に執着しているとは思わなかった。瞠、と何度も長谷川が自分を呼ぶ声が耳をついて離れない。
 結局、柚月や周りの人間を巻き込んで迷惑をかけてしまった。

 しかも、懸念はそれだけではなかった。
(どうしよう)
(……身体、見られた……?)

 着ているものは長谷川の家にいた時から変わっていない。しかし、─── 自分が長谷川にされたことを、柚月が気が付いていないとは思えなかった。
(迷惑かけただけじゃない。こんな……)
 
 長谷川の手が。指が。唇が。─── 拒む自分の声が。悲鳴が。
 あの夜を思い出して、掛けられていたタオルケットを頭の上まで引っ張り上げる。うつ伏せたその仕草で痛みが身体中に走り、ふっと涙が滲む。

 どんな顔をして柚月の前に出たらいいか、判らない。
 
「───……」
 サイドテーブルの目覚まし時計が時を刻む。耳慣れたその音がやけに大きく響き、時間を確かめようとタオルケットの下から手を伸ばして引き寄せた。─── しゃら、と音を立てて、時計の手前にあったものがフローリングの床に落ちる。

 チェーンの切れたドッグタグだった。
 長谷川の存在を、受けた暴力を、まざまざと思い出させるそれを目にして手元が狂う。時計がハルの指先から滑り落ちて床の上で大きな音を立てた。

 ドアがぱっと開け放たれて、リビングからの光源で室内が明るくなる。
「……ミハル?」
 心配そうな柚月の声。ドアが閉まり、近づいてくる柚月の気配にハルはタオルケットの下で息を殺した。
 
 暗闇の中、ベッドのそばにしゃがんで時計とドッグタグを拾い上げた柚月は、それらを元の位置に戻すと、頭まですっぽりとタオルケットを被ったハルを見下ろした。
「……起きたのか?……」
 
 ベッドに腰掛けた柚月の手がタオルケットの上からハルの頭に触れる。その感触にハルは、びく、と身体を振るわせた。
「……さっきまでひどい熱だった。明日、環さんに電話しておくから、……ゆっくり休むんだぞ」
 タオルケットの端からわずかに出ているハルの髪の毛が、柚月の長い指で慈しむように梳かれる。

 小さなハルの声が、柚月の仕草を拒んだ。
「さわ……触んないで……」
「………」
「オレ、ロフト行くから……目、つぶってて……見ないで……」

 ハルの言葉が聞こえないのか、その指は髪の毛を探るのをやめようとしない。─── 柚月はひょっとしたら、自分の身体の異変に気が付いていない、振りをしてくれようとしているのかもしれない、とハルは思った。
 それほど、優しい手だった。
 
 ─── 自分を愛しい、と……好きだと思ってくれているその手に、嘘を吐かせたくない。

 ハルは頭を振り、柚月の手から逃れた。
「あ、……あの、オレさあ、」

 擦れた、そのくせやたらに明るい声をタオルケットの下からハルは発した。
「ゆ……柚月さんも、想像ついてると思うけど、ご……ゴーカンされちゃってさ、長谷川さんに、……あの、だから、……」

 言いよどみ、ごくん、と喉を鳴らす。タオルケットを握りしめた指が震える。
「どん引きってカンジ……? はは、笑うしかないよね、……一人で、どうにかしようと思って、行ったんだけど、……ダメで……」
「………」
 柚月は何も言わず、黙ったままだった。その沈黙が怖くて言葉を重ねる。

「……柚月さんになんかするって言うからさ、最初大人しくしてたんだけど、あの……オレ……触られんのイヤで、我慢できなくて、……抵抗して、そしたら、」
(「や……っいや、いたい、やめて、や……」)
 すすり泣く自分の声が何度も柚月を呼ぶ。

「……だから……もう……オレに触りたくなかったら……イヤになったら……言っ……環さんとこ、置いてもら……っ」
 ─── 涙で語尾が消えた。

 一度あふれた涙は歯止めが利かず、ぽろぽろとこぼれる。ハルは、ぎゅっと目を閉じた。
 ─── きっと柚月は自分に触れることを厭う。
(痕が、ついている)
 長谷川に所有された痕が、身体中に。

 それだけではない。無理やり押し入られ、未だ傷ついて痛む場所を柚月に見られたら。
(……もう生きていられない)
 ひっく、とハルはしゃくり上げた。

「………」
 黙ってハルを見下ろしていた柚月は、サイドテーブルのクリップ式のランプを点けた。目に沁みないよう柔らかく光量を調節して、ベッドに上がる。その膝の下でスプリングが軋んだ。

 不意に柚月は泣きじゃくるハルをタオルケットごと抱きしめた。しばらくそうしていて、ハルの顔を覆っていたタオルケットを取り去る。額に、瞼に、頬に、そっと唇を落とした。
 触れてくる柚月の優しい感触に、ハルはぼうっとなり、タオルケットが取り払われたことに気付くのが遅れた。

 ハルの身に着けているTシャツの裾が捲り上げられる。事態に気付き、慌てて抗った。
「……っや、柚月さん、やだ、見ないで……っ」
 Tシャツを胸の上まで引っ張り上げようとする柚月の手と、下に下ろそうとするハルの手が争う。

「……痕……っ痕が付いてるからっ……やだ……!」
 拒む言葉を発するハルの唇を柚月は深いくちづけで塞いだ。宥めるように胸に手を這わせ、ハルの抵抗を奪った柚月は、ほんの僅かな隙を突いてTシャツを脱がせる。同時にスウェットパンツごと下着も取り去った。
「っ……」

 ハルは柚月の手を逃れ、ベッドの壁際で膝を折り曲げて身体を隠そうとする。見られた。身体中に付けられた唇の痕も、擦れて赤くなった手首の傷も、無数の噛み痕も、押さえつけられた腕の青痣も ─── ……。
 
(もうダメだ。見られた)
(触りたくないって)
 ハルは必死でタオルケットを手繰り寄せる。─── それも、取り上げられた。
  
 どうして、と驚いて柚月を見上げる。
 柚月が怒ったように自分の身体を見下ろしていることに気付いて、ハルはまた泣きたくなった。

 柚月の表情はまるでひとが変わったように冷淡だった。
(信じなかった、から……?)

(柚月さんのこと信じないで、─── 柚月さんはオレよりも自分の方が大事だって決め付けて、それを思い知るのがイヤで、柚月さんを傷つけられるのもイヤで、長谷川さんの前で頷いて、……だから、)
(柚月さんは怒っている)

 嫌われた。
 
 ハルは抱えた膝に顔を埋めて声を上げないように泣いた。─── あきれた柚月はきっと部屋を出て行ってしまう。自分を信じずに他の男に触らせて、ひどい痕を付けられて、犯されて ───………。
 
「……くそ」
 柚月の声が吐き捨てるように呟く。その声の強さにハルは、びくん、と身体を震わせた。
 顔を伏せていたハルは柚月の手が伸びてくることに気付かなかった。

 いきなり腕を掴まれ、引き寄せられる。抗う間もなく柚月の身体がのしかかってきた。
「やー……っ」
 涙声で悲鳴を上げながら、ハルは身を捩る。力強い柚月の手がその肩をベッドに押さえつけた。

 突然の柚月の暴力的な行動にハルは怯え、混乱した。
 柚月は、─── この身体を見て、もう大事にするに値しない、と ─── 自分を信じなかったのだから、乱暴してもいいのだ、と思ったのだろうか。
 
(もう、……す、……好きじゃなくなった、から、)
(大事に、しなくてもいい、って、……オレのこと、嫌いに、なったから、)

「……っ」
 溢れた涙で視界が霞む。乱暴されるのだ、とハルは思った。柚月に嫌われて、蔑みに無理やり犯されるのは辛いけれど、自業自得だ。
(仕方がない)
 
 ─── 柚月を信じなかった罰だ。

 柚月に組み敷かれたハルは力を抜いた。
 浅い呼吸を繰り返し、涙をこぼすハルを柚月の瞳が捉える。
「……ミハル」

 その声は、─── 驚くほど優しかった。慈しむような眼差しを、ハルは涙に濡れた目でぼんやりと見上げる。
 柚月の指が耳まで流れたハルの涙をそっと拭う。優しい仕草に戸惑ったハルは何度も瞬きを繰り返した。
 
 柚月が体重をかけていないことに気付く。
 安心させるように微笑んだ柚月は、上体を起こし、ジャージの上衣を脱いだ。柚月の厚みのある胸が、ハルの胸に重なる。
 
 鼓動が ───。
 互いの体温と鼓動が混ざり合い、どちらのものか判らなくなった。
 
 柚月の長い指がハルの髪の毛に差し入れられ、柔らかく乱す。唇に降りてきた柚月の唇をハルは受け入れた。
 何度もキスを繰り返し、きつく抱き合う。ハルの髪に触れていたその手は、頬に触れ、首筋を降りていき、肩を、胸を撫でる。

「ん……っ……ゆ……づき……さ……」
 官能を煽られ、ハルは掠れた声を上げる。
 その声でハルが拒んでいないことを知った柚月は、細い腕の内側の吸い痕に舌を這わせた。
   
 柚月の行為に気付いたハルは一瞬、腕を引こうとして、─── あえなく力強い手に阻まれる。
 柚月はハルの身体中に散っている無残な痕に次々と舌を這わせ始めた。嫌がるハルが頭を振って力無く抵抗するのを、優しい口付けで宥め、また身体に唇を戻す。

 噛み痕を労るように丹念に舐め、「痛かったか?」とハルの耳元で囁く。柚月の優しい唇と舌はハルの心と身体を容易く溶かし、「今、は、痛くない……柚月さんにそうされると、すげー気持ちいい……」と言わずもがなのことまで口走らせてしまう。
 
 満足気な笑みを浮かべた柚月はハルの膝に手をかけた。
「やっ……柚月さん、お願い、見ないで……灯り消して、挿れたかったら、何もしないで、挿れていいから、……見ないで……」
「………」
 
 膝を頑なに閉じたハルの泣きそうな顔を柚月はじっと見つめ、─── 自分の手を引き剥がそうとするハルの手の甲をぺろりと舐めた。
「……ひゃ……っ」
 細い指を一本ずつ口に含み、柚月はわざと音を立てて舌を絡める。ハルは背筋を走るぞくぞくとした官能に耐え切れず、手をどかした。
 
 閉じられた膝や腿の隙間にも舌での愛撫を施す。力の入らなくなったハルの脚を開き、柚月はその付け根にも唇を落とした。
(どうしよう、見られた)

 傷つけられたその場所を柚月に見られたら生きていられない、とさえ思っていたハルだったが、柚月は一切の躊躇なく舌を這わせてくる。
 引き攣れるような痛みと熱を持ったそこは、柚月の舌で癒されていった。

 決して無理強いしない柚月の行為はハルに安堵をもたらす。徐々に身体が解れていき、痛みではない別の感覚が芽生え ───。
「や……っやっ、柚月さん、ダメ」
 
「痛いのか……?」
「い……痛くないけど……痛くないから、ダメ……だって……」
 身体中に唇と舌での優しい愛撫を受けて、もう限界だった。イっちゃうよ、とハルが泣き出しそうに告白すると、柚月は殊更その場所を舌で撫でながら、ずいぶん前から勃ち上がっていたものに手を伸ばした。

「あっあっ、や、イヤあ ───……っ」
 信じられない。ちょっと触れられただけで達してしまった。身体中、真っ赤になったハルの目に涙が浮かぶ。
 柚月に見られたくなくて、腕で顔を覆った。
 
 口元に笑みを浮かべた柚月はハルの後始末を終えると、その腕を引き剥がしにかかった。
「やっ、……みっともないから、見ないで……っ」
「みっともなくない。……気持ち良くなった顔、見せろ」
 
「やだやだやだっ……」
 柚月がなぜこんなことをしたのか判らなかった。自分の身体になど触れたいはずがないのに、柚月は隈なく全身に触れ、ダメだと言っても ─── 無論それは羞恥から出た言葉で、本当にダメなわけではなかったが ─── 止めなかった。

 他の男との情交の痕を見られ、傷つけられた痕も見られ、あっけなく達してしまった自分が死にたいほど恥ずかしい。
 そう考えながらハルは、もうやだ、と涙声を出した。
 
「………」
 柚月は諦めたのか、ハルの腕から手を離した。代わりにその身体を抱きしめると、一度は奪い取ったタオルケットを肩まで引き上げる。
「……俺にされて、気持ち良かったか?」
 
 耳元で囁く。ハルは顔を隠したまま、こくこくと何度も頷いた。
「そうか」
 満足そうに呟いた柚月は、ちょっと待ってろ、と言い置いて、ベッドを下りる。不安な気持ちになったハルはタオルケットの隙間から目だけを出して、その様子を見ていた。
 
 戻って来た柚月は手に軟膏の小さなプラスチック容器を持っていた。
 ベッドに上がり、タオルケットをはぐると、横向きになっていたハルの身体をうつ伏せにさせ、その場所に容器の中身を塗りつける。

「……っ」
 その感覚にハルはびくっと背中を反らせた。柚月の指は優しく、痛みはほとんどない。するりと入り込んで来た指先に思わず声が漏れた。
「ん……っ、あ、んっ……」

 本当に怪我の手当ての為らしく、奥まで侵入してこようとはしない。それはじれったさを生み、ハルは誘うように身体を捩らせた。
 背中に汗を滲ませ、シーツを両手で掴んだ自分の姿態が柚月の目にどう映っているか、不安になる。イヤらしいと思われていないだろうか。柚月に嫌われたくない一心で、ハルは声を殺した。

 後ろから手が伸びてきて、再び勃ち上がり始めたハルの中心を包み込んだ。
「……っやだ……っ柚月さん……っ」
 拒む、悲鳴のような声がハルの唇からこぼれる。
  
 羞恥に赤く染まったハルの耳元で、柚月が囁いた。
「……痛いことは、しないから、……」
 優しい柚月の手と指先に二度目も他愛なく達してしまったハルは、眠るように意識を失った。

 

 
     

      目次第十五話

 

   *投票していただけると励みになります。

     ←ネット小説ランキングの人気投票です。

   にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
   にほんブログ村  ←クリックすると投票になります。

    ←クリックすると投票になります。

毎日、拍手ありがとうございます(≧∇≦)

コメレスです↓

続きを読む "" »

9万アクセスありがとうございます\(^o^)/

こんなにたくさんアクセスして頂けて大変嬉しいです

三月十八日(トップページ日付)で一応一周年なんですが、ブログを開設した当時はアクセス数が万単位になるなんて思ってもみませんでした。モジモジ(。_。*)))

読んで下さる方々のおかげ、と日々感謝しております。o(_ _)oペコッ

これからも、多くの方に読んで頂けるように頑張るつもりですので、よろしくお願いします。

 

拍手コメレスです↓ありがとうございます(≧∇≦)

続きを読む "9万アクセスありがとうございます\(^o^)/" »

« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フォト

リンクⅡ

  • 拍手お礼画像等を使わせて頂いています


  • アルファポリス


     
  • 雪ひろとさんと鷹槻れんさんのサイトです。


ブログバナー

  • Bromance

    リンクフリーです。報告は任意でお願いします。
無料ブログはココログ