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2014年1月

ヘヴン2「この空の下」第4話更新

  ヘヴン2「この空の下」の第4話を更新しました。時間が空いてしまってすいません、読んで下さる方がいらっしゃると嬉しいです。

 ヘヴン2「この空の下」目次

 よろしくお願いします。

 ……前回のお知らせと一緒にしようと思っていたら、久しぶりの更新で手間取ってしまいました。

                                                                     

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ヘヴンズブルー2・後日談「この空の下」4

 

     4.

 

 足早にヘヴンズブルーの店内に入ってきた和臣は、まっすぐにカウンターに向かう。電話で『ナオを拉致った』と宣言した人物は、カウンターの中にいるバーテンダー ── 信じられないことに牧田が採用した色ボケのガキ ── よりによって ── を相手に話をしていた。
 
 その人物の背中に向かって話しかける。

  
  
「……ナオはどこだ」
「なんだ、早えーじゃん」
 
 低く恫喝する和臣に対して、振り返ったハルはにやにやと笑った。

  
  
「相変わらず可愛いナオちゃんにご執心? そんなシンパイなら、帰りたくない、なんて思わせないようにしなきゃダメじゃん。ナオのこと、大事にしなきゃさあ」
「言われなくても大事にしてる。ナオはどこだ。お前の家か」

 やたらと明るいハルの様子に和臣は苛立つ。ひとのものを勝手に拉致しておいてご機嫌じゃねえか、と眉間のしわを深めた。

  
 
 ── 今から三十分ほど前、マンションに帰った和臣は、部屋の灯りが点いていないことでナオの不在を知った。

  
  
 
 昼間にレイと会うことを無理やり訊き出していたので、その時点でかなり不愉快な気持ちになったが、それを堪えてナオの携帯電話にかけた。きっとしばらくぶりに『ただの友人』のレイと会って、話が弾んでいるのだろう。……まさかあのガキのアパートに連れ込まれてはいないだろうな、と頭の隅で考えて、さらに自分で自分の感情を逆なでする。

  
  
 
 耳に当てた携帯電話からは、コール音の一つもなく「この電話の電源が入っていない」と機械の声が聞こえた。
 ……電池切れに違いない、と自分に言い聞かせ、動揺を抑える。

  
  
 
 レイの携帯電話の番号は知らない。腕を組んでしばらく考え込んだあげく、ヘヴンズブルーに電話をした。性質の悪い恋敵が自分の店で働いていることを認めたくはなかったが、この際仕方がない。今日、レイとナオが会っていたことだけは確かだろうから。

 電話に出たレイはナオが帰っていないことを知らないようだった。とぼけているのか、とカッとなり「しらばっくれるな。今度はお前の家に出向くぞ」と脅したところで、電話の主が違う人物に代わった。

  
  
 
 それがハルだと気付き、虚を突かれる。想像外のことに驚いた和臣が押し黙った一瞬、ハルは「ナオをラチったよ。返さねーから」と言い置いて電話を切った。
 ……レイと会うだけでも腹立たしいのに、ハルに拉致られただと?

  
  
 
 ふざけるな、とすぐにマンションを飛び出す。ヘヴンに来てみると、やけに明るい様子のハルが空のグラスを弄んでいた。
  
 
 ニコニコと笑みを浮かべたハルは、和臣の眉間のしわを指さす。

  
「ダメだよ、そんなコワいカオしてたらさあ。ナオ返さねーよ?」
「やかましい、とっととナオを、……おい、お前なに飲んでる」
「オレンジジュースー」

  
  
 
 ハルの顔色がほんのりと赤い。やけに浮ついた口調ととろけるような笑みには心当たりがある。
 良くない胸騒ぎを覚えた和臣は、自分に向けられたハルの指先を払いのけ、カウンターの中にいる性質の悪い恋敵兼バーテンダーに問い質した。

「こいつに何飲ませた」
「なにって……スクリュードライバー。ですよね、店長」
 振り返ったバーテンダーは厨房にいる牧田に訊く。厨房からは、「ハルくん、オレンジジュースだよー」とのんびりした声が届いた。

「あれ、……」
 どうやら彼は、ウォッカとオレンジジュースのカクテルのオーダーだと思い込んでハルに提供していたようだ。肩を竦めてごまかすように笑うバーテンダーに、思わず和臣は顔をしかめた。

「バカか……こいつに酒を与えるな。カレシが怒鳴り込んでくるぞ」
 やりとりを聞いているのかいないのか、ぼーっとしているハルの肩に手をかける。
「おい、歩けるか? 何杯飲んだ」
「……触んなよ、セクハラー。ナオにチクるぞ」

「何がセクハラだ。今さらお前に触ったくらいであいつが気にするか」
「判ってねーな、成沢さん。オレ、あんたのせいでナオに嫌われちゃったんだぞ。どーしてくれるんだよ」
「なに言ってんだ、……」

  
  
 
 和臣は眉根をひそめた。自分が飲んでないだけに、酔ったハルに絡まれるのがうっとうしい。これはそうそうに柚月くんに預けるのが得策だな、と考える和臣に向かってハルは饒舌になった。

  
  
「ナオ、オレの顔、見たくないってさ。あんたがナオに無理言って、不安定にさせるからだぞ。オレにヤキモチ焼いて、あんたと前、そういう関係だったって、ナオはイヤな気持ちになっている……」
 
「お前……どれだけ飲んだ」

  
  
 ろれつが回らず、文脈もおかしくなっているハルに呆れながらも、和臣はその言葉を聞き逃さなかった。
「妬いてるだと? ナオが」

「そーだよ。妬くに決まってんじゃん。あんたが手当たりしだいだからだぞ。あんたが悪い」
「……判った。俺が悪い。柚月くんとこ帰ろう」
 面倒くさくなった和臣はハルの腕を取って立たせる。

  
  
 
 ハルはそんな和臣の顔をぼんやりと見て、うつろに呟いた。
「ゆづきくん……要さん」
 触んな、と和臣の手を振り払ったハルは、フロアをふらふらと歩いて不意に振り返った。

「……あんたはわるいやつだ。あんたのせいでナオがオレに嫉妬してる……でもナオがあんたのこと好きだから、許してやる。……ナオの親に会いにいくんだろう?」
「誰から聞いた、……そうだな。会いに行く」
 
「ぜったい?」
「絶対だ」
「かならず?」
「必ず会いに行く。あいつは嫌がってるが」

「ふーん……」
 腕を組んだハルは、酔いがまわった人間特有のとろんとした目付きで和臣を見上げる。
「じゃ、ナオを返してやる」
 ありがたく思え、と言わんばかりの不遜さで言い放つと、ハルはくるりと背を向けた。

 そのまま、すたすたと出入口へ向かって行く。和臣はカウンターの中のバーテンダーに、勘定は俺に回せ、と言い置いて、その背中を追いかけた。
「……ひとつ訊きたいことがあるんだが、ハル」

「なんだよ。神妙じゃん」
 外はすっかり日が落ちて暗くなっている。大通りの雑踏の中、ハルの少し後方からその後を付いていっていた和臣は、駅前を通り過ぎて人通りが少なくなったところで先を行く背中に話しかけた。

 立ち止まって振り返ったハルに近付く。
「ナオは、お前の家にいるのか」
「そうだよ。言わなかったっけ」

「柚月くんはどうした」
「どうしたって、いるよ。うちに」
「……ナオと、ふたりでか?」

「うん」
 ハルはこくりと頷いた。こんな時だけ素直に頷いてんじゃねえ、と和臣は心の中で八つ当たりに近い悪態を付き、表情を引きつらせた。

「なんだ、そのカオー。成沢さん、要さんとナオがどうかなるとでも思ってんの」
 けらけらと笑うハルを追い越し、顔だけ和臣は振り向く。
「……余裕だな、お前は」

  
  
 
 心配じゃないのか、と言いかけてやめた。言うことで自分の不安が露呈するのが嫌だったからだ。
 代わりにちッと舌打ちをする。追いついてきたハルは、和臣を追い抜きざまに言った。
「ヨユーなんかねーよ、ぜんぜん。あんたのことイヤんなったナオが、要さんにグラついたらって、ちょっと帰んのびびってる。ナオ、可愛いし、素直だし、要さんだってオレよりナオの方がいいよなあって」

「お前……いつからそんな殊勝な」
 言い差して、和臣は口を噤む。外に出たせいかしゃんとしているように見えていたが、ハルが酔っているのを忘れていた。

  
  
 
 酔うとハルは饒舌になり、本音に近いことをしゃべる。以前からそうだった。
 むっとしたのか、ハルは唇を尖らせた。
「オレは昔から殊勝だよ。しっつれーだよな、あんたって。ほんとナオって趣味悪りィ。なんであんたなのかマジ判んないけど、ナオがいいって言ってんだから仕方ないよね」
「失礼なのはお前の方だ。どっちだ。早くしろ」

 つっけんどんに和臣はハルを急かす。二、三歩、歩き出してもハルが付いてこないことに気付いて、振り返った。
「どうし……」
「── 気持ち悪い」

「ああ?」
 街灯の下、整ったハルの顔色が白を通り越して青くなっている。大きな目を潤ませて、口元を手で押さえた。
「おい、カンベンしろ。家はどこなんだっ」
「あっち……」

  
  
 
 焦る和臣の肩にハルはずるずると凭れかかってくる。仕方なく抱きかかえるようにして、和臣はハルの指差す方角へ歩き出した。
「今のほうがよっぽどセクハラだろう、……くそ、やっぱり新婚夫婦のお宅拝見やっとくんだったな」
「やだ、ぜったいヤダ、あんたぜったい要さんに下ネタ言うもん。ナオがうちにいなかったらあんたなんか連れてかない、……へんなとこ触んな、ヘンタイ!」

「触ってねえよ」
 また柚月くんに嫌われる、と和臣はぶつぶつと呟く。ナオを迎えに行くはずだったのが、酩酊したハルを送り届ける羽目になってしまった。かなり目的を逸したことに気付いた和臣は、嘆息しながらも抱く腕に力を込めた。

 

  ヘヴンズブルー2・目次
  

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